厩舎番VSデータ派で意見が真っ二つ!? 京成杯座談会

差は僅か　伏兵も多数

小島「何と言われようが結構ですが、僕は担当馬の中からケルフロイデを◎に抜擢します。加藤征師は“この馬の武器は器用さ。だから、それを生かせるコース選択をしてきたんだ。まだ強化すべき点はあるけど、今回の舞台も当然いいよ”と、一発を狙っている雰囲気でしたし、そうキレるタイプではないので、前走のような京都での瞬発力勝負よりも中山の方が絶対いいですよ。堪らないくらいの好枠も引けましたしね」

西田「私もキャリア３戦馬ですが、前走で人気を落としそうなプロフェットを。大幅な馬体減、京都の高速馬場と、敗因はハッキリしていますし、ジックリと間隔をあけたことで実力を見直せると思います」

坂倉「５頭立てのシンガリ負けとはいえ、コンマ３秒差なら悲観することもないでしょう。札幌の洋芝で結果を出してきた馬に、今の中山のタフな馬場はピッタリですし、札幌２歳Ｓでハナ差のアドマイヤエイカンが、暮れのホープフルＳで３着とはコンマ２秒差の５着でしたからね。同等の能力があるのなら、今回のメンバーでは中心視できますよ」

清野「札幌２歳Ｓの内容を、私は勝ち馬以上と見ています。１番人気として目標とされる立場でもありましたからね。ハービンジャー産駒なら、この時季の中山２０００ｍでこそという感も受けますよ」

那谷「前走に関しては、出走前から馬体が減っていることが陣営もわかっていたし、負けるべくして負けた一戦だと思うよ。今回は馬体もフックラ見せているし、輸送で減っても４５０キロ台で出走できれば、巻き返しも可能だろうな」

デスク「編集長の◎プランスシャルマンは、勝ったり負けたりを繰り返して、今度は勝つ番だな。おめでとう」

上田「そんな単純な理由じゃないんだけど…。初戦２着の勝ち馬はＧI馬となり、３走前２着の勝ち馬も東スポ杯で２着と、本紙◎マイネルラフレシアに先着しているんだよね。つまり、６着と敗れた前走以外は穴のない素晴らしい実績なんだ。その唯一の穴となった前走だけど、掛かったのが全てだと思うから、度外視していいんじゃないかな」

山崎「“いつもレースで遊ぶ馬が、あれほどハミがかかってしまうとは…”と斎藤誠師も振り返るように、編集長が言われるとおり、掛かった分の負けでしたね。その反省もふまえて、乗り替わる柴山雄騎手がこの中間に跨ってコンタクトを取っていますし、折り合いさえ付けば、巻き返しも十分可能でしょう」

ホープフルS6着からの巻き返しを図るプランスシャルマン（撮影：日刊ゲンダイ）

瀬古「僕は、ユウチェンジに関東スタッフが誰も◎を打っていないのが納得できないですね。前走は一息入った状態でのＧI挑戦、しかも初のマイル戦で、流れに対応できるのかという不安もありましたが、直線で進路をなくして立て直すロスがあっての４着は評価できます。本来はこの２０００ｍでこその馬ですし、前走でマイルの流れを経験したことで、レースでの反応もいい方に変わってくるはずです。父も厩舎の活躍馬でしたから、スタッフの思い入れも強いんですよ」

板子「同じく誰も◎がいないんですが、アドマイヤモラールも怖いですよ。これまでマイルまでの距離しか走っていませんが、前走後に田辺騎手が“距離は延びても問題はない”と。上原師も“父（キンシャサノキセキ）よりも母方の特徴が出ているタイプ。姉のエフティマイアと同様に、距離の融通性が利きそうなので、ここを使ってみる”と、けっして短距離向きのイメージを抱いてはいない様子です。デビュー当初から見られていた若さも解消されてきてますし、立ち回り次第では食い込んで不思議はありません」

デスク「あと、もう１頭いる“キャリア３戦馬”の名前が出てこないんだが…」

広田「ナムラシングンですね。前走は、好発を切ったことで逆に力んでしまったものですが、好位差しの競馬ができたことは収穫でしたね。厳しい大外枠を引いてしまいましたし、高野師も“晩成型かなぁ”と言うように本格化は先でしょうが、素質自体は一級品ですよね」