GI男のソツのないエスコートで、3歳モズカッチャンが女王の座に

佐藤直文 レース回顧
エリザベス女王杯
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絶好位のインからキッチリ差し切り モズカッチャン

 ガンガン飛ばすタイプの馬が不在で、落ち着いた流れは予想されていたことだが、前半1000m通過が62秒0という数字は、良馬場施行での過去10年で最も遅いラップ。ここまでスローになれば、問われるのは何よりも立ち回りの巧さであった。

 モズカッチャンは、内枠からうまく絶好位のインにもぐり込んだことがまずは最大の勝因と言えるだろう。道中はしっかりと脚を溜められていたし、直線では鞍上が相手が何かを見ながら進路を探す余裕すら感じられ、最後は2着馬に馬体を寄せて行ってキッチリと差し切ったもの。これでGIは9戦連続で3着以内という鞍上のソツのない騎乗ぶりが光ったが、前走の秋華賞では道中で落鉄しながらあそこまで走ったわけであり、同じような後半勝負だったオークスでの走りも本物だったと言える。

モズカッチャン

ゴール寸前で2着馬を捉えたモズカッチャン(赤帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着クロコスミアは、道中はスムーズに折り合って2番手で運び、直線で早目に先頭に立ってラチ沿いで逃げ込みを図ったもの。けっして抜け出すタイミングが早かったわけではなく、完璧なレース運びであり、これで差されたのは仕方ないと言える。コーナー4回の競馬、そして距離もこの馬にはピッタリだったように思えた。

 3着ミッキークイーンは、同じようにぶっつけだった昨年よりはマシだったとはいえ、坂路のみでの仕上げはとても完調にはほど遠いと思えたが、流れも向かなかった中でここまで猛追できたのは、地力の高さに他ならない。3世代の秋華賞馬が揃った中でも最先着し、負けて強しをアピールした形だ。

 4着マキシマムドパリは、道中3番手で流れに乗り、直線で勝ち馬のミルコ・デムーロ騎手が一度は馬体を併せに行ったほど手応えがあった。最後に決め手の差が出たとはいえ、けっして止まらず渋太く伸びての大健闘だった。

 5着ヴィブロスは、道中で少し力みが見えたとはいえ、勝ち馬の外という絶好の位置取りから伸びを欠いたのは、どうしたのかと思える走り。それでも大崩れせずに格好を付けたとは言えるのだが…。

 スマートレイアーは、道中は5着馬をマークする形で運んだが、勝負どころでポジションを上げられず、最後は脚を余し気味になるもったいない競馬だった。ルージュバックは、後方でジックリと脚を溜めて運んだが、今日の流れではしょうがなかった。ディアドラは、更に後ろの後方2番手から。ただ、勝負どころでもピッチが上がらず、展開云々の問題ではなかった。タフな馬場だった秋華賞の反動が出たとは思いたくはないが、好走にはある程度の条件が必要なタイプなのかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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