ローカル開催を盛り上げる、ワールドオールスタージョッキーズの可能性

ワールドオールスタージョッキーズの可能性

　従来のＷＳＪＳと違い、「札幌」で「８月」に行うというのははっきり言って冒険だっただろう。実際に海外の一流ジョッキーが招待に応じるかどうかは未だ分からないが、ヨーロッパでは大レースのない週であり、オーストラリアや香港はオフシーズンである。当初は不安視する声もあったが、さほど心配はいらないと考えて良さそうだ。

　今回の変更が実現したことで、シリーズの可能性は大きく拡がったといえる。開催時期さえ考慮すれば、夏の競馬開催中にローカル競馬場の持ち回りでの開催も視野に入れることができる。ファンサービスという意味では、これまでこのシリーズを生で観戦できなかった各地の競馬ファンに対して意義あるものになる。また、単純に毎年、阪神か東京でしか行われなかったシリーズが他の競馬場で行われるようになれば、今までと見所も変わってくる。今年の札幌競馬場のような小回りのローカルコースでの駆け引きや、新潟競馬場のような特徴的なコースでの叩き合いなど、バリエーションに富んだシリーズが展開されると考えれば、シリーズ自体のマンネリ化もある程度は回避できる。

　今年はＭ．デムーロとＣ．ルメールという２人の外国人ジョッキーが日本での通年免許を取得。そしてここ数年は年間を通じて絶え間なく外国人ジョッキーが短期免許を取得して、日本にやってくる状況である。外国人ジョッキーに対する敷居はかなり下がったが、それと同時に目新しさ・新鮮さも薄れてきている向きもある。だからこそ、ワールドオールスタージョッキーズの札幌開催には期待を込めざるを得ないのである。