「一流のオーラ」ファインニードルがＴＭ陣にも人気　台風も不問か

女王誕生の予感　覚醒したビーナスか２着はもう要らないドンキか

板子「モレイラ騎手との初コンビだった前走のキーンランドＣで待望の重賞初制覇を成し遂げたナックビーナスですが、道中ではハナに立ってソラを使う面もあった中で、直線でハミをかけ直して気合を付けると再びグンと加速し、最後は持ったままでの大楽勝。これまでの詰めの甘さを完全に払拭する強い競馬で、これが本来の力だと思いましたね。この中間は、馬体のボリュームもさらに増して迫力十分の動きを見せていますし、再度モレイラ騎乗なら、ＧIにも手が届くと見ていいでしょう」

佐藤直「まぁ、マジックマンの手腕ばかりがクローズアップされているけど、馬に本当の力が付いていなければ、あの２馬身半の着差はないぞ。道悪も不問だし、目下の状態の良さと成長力を、俺も買いたいな」

小野智「とにかく陣営への取材の感触も良かったですよ。前走について杉浦師は“ハナを指示したわけではなく、ジョッキーの判断で行ったんだけど、これじゃ最後にいつものようフワッとすると思っていたら、全くそんなことがなかったからね。おまけに、まだまだ余裕があったって言ってたくらいだから、モレイラ騎手はさすがだよ”と。さらには“美浦に戻ってからも順調で、むしろギアが一段上がった気すらする。実績のある中山も道悪もマイナスにはならないし、ハナにこだわらなくてもレースができるから、ＧI勝ちも夢ではないと思っている”とまで言ってましたからね」

守屋「僕は、前走こそモレイラ騎手の逃げが巧く決まりましたが、直線で抜け出すとソラを使うところが完全に解消したかは疑問が残りますし、今回はマークも厳しくなると思うので、再度巧くいくかどうか…。鞍上人気も手伝ってオッズほど信頼できないんじゃないかと」

モレイラ騎手のエスコートにも注目が集まるナックビーナス(手前)（撮影：日刊ゲンダイ）

小桧山「レッツゴードンキは、国内でのスプリントＧIで昨年の高松宮記念から３戦連続で２着を続けているんだけど、いずれも僅差ばかりで、いつ勝ってもおかしくない実力を持っているよな。今回はそのＧIで負けた３頭も揃っているけど、鞍上とコンビが続いているのはこの馬だけで、癖を知って力を出し切れる有利さがあるぞ。前走は上位馬が内を立ち回ったのに対し、外を回ったのが響いたし、仕上げも少し狂った印象。状態に関しては今回の方が数段上だよ」

久光「昨年はヴィクトリアマイルからここへ直行しての２着でしたが、今年は北海道で一戦挟んで、いかにもここを獲りに来ている印象を受けますね。そんなローテーションの変化があっても、調教は昨年と同様に積めている点に好感が持てますし、発表以上に重い馬場だった昨年の高松宮記念で荒れた内から伸びた脚を見ると、雨予報もプラスに出そうですよ」

加茂「前走は、函館からの輸送の関係で変則の火曜追いになったことで、陣営によると“馬の気合が空回りした”とのことや。ここにきてイイ頃に見せるウルサイ仕草が戻ってきたのは好材料やし、２着続きのＧIだけど、あとは勝ち運だけやろな」

小島「僕は夏を制したアレスバローズが、新たなスプリント王者に君臨すると見ています。気性の成長に伴い操作性が良くなったことが、この２連勝に表れていますし、元々のポテンシャルの高さを考えても素質開花と見ていいはずです。前が速くなって展開的にも向くと思いますし、一発ならこの馬ですよ」

大江原「セントウルＳ以外のサマーシリーズ組は軽く見られる傾向にあるけど、アレスバローズはローテーション的にも無理がないし、コジも言うようにコントロールが利くようになった今ならチャンスは十分にあるだろうな」

持木「内から一瞬の脚を使って差し切った北九州記念のレースぶりからも、中山コースは向くタイプだと思います。当日輸送のない競馬も歓迎の馬ですから、是非とも狙ってみたいですね」

目黒「以前は在厩している期間にテンションが高くなるため調整が難しく、競馬でも折り合いに課題があって能力をフルに発揮できないケースが多かった馬で、福島や新潟、中山など当日輸送のない関東圏を中心に使うなど、好走条件が限定されていたんですよ。ただ、６歳になり気性面が成長してきたことで、そういう面が解消されましたからね。“クラスが上がって重賞レベルのペースになると折り合いがつけやすいこともあるし、気性面もだいぶ大人になってきた。前回にしても、うまく内を捌けたのは確かだけど、スペースが開いた瞬間に突っ込める瞬発力はこの馬のセールスポイントだろうね。馬体の張りもいいし、適度に間隔をとりながら使っているので、今回も本当に具合がいいよ。もちろん期待したいね”と、角田師の意気込みもかなりのモノでしたよ」