Ｍ.デムーロが警戒する「最大のライバル」 ◎の数でも圧倒的に…

初距離や初ダート　未知の魅力に賭ける手もアリ？

デスク「スタッフの◎が２頭に集中した中で、唯一、それ以外の馬に◎を打ったのが伊利。そのニューモーメントは青竜Ｓでコンマ３秒差の３着だったが、上位２頭を逆転できると判断したわけだな」

伊利「ニューモーメントの注目すべき点は４走前、同じ開催で同じ良馬場だったオープンのヒヤシンスＳを上回る時計で勝っているんです。そして３走前の昇竜Ｓも、さらに後ろから来たデュープロセスに差されたとはいえ、内容はかなり評価できる２着でしたし、今回は当時と同じ“左回りの高速馬場”で、しかも４走前に手綱を取った石橋脩騎手のコンビ再結成なら、逆転も十分あると見ました」

菅「陣営も“とにかく具合がいいし、この短期間での成長も感じる”とのことで、上位２頭に対してけっして白旗ムードではなかったですよ」

小野智「人気両馬と同様に、これまたここまで連を外していないヴァイトブリックも、和田郎師が“前走はスタートのタイミングが合わず思ったより後ろのポジションになったが、よく走っていた。２走前のヒヤシンスＳも太目の作りで２着だったが、今回は当時以上のデキ。いい勝負になりそう”と強気でしたよ。ただ、鞍上の戸崎圭騎手は“今回は好メンバーが揃って、勝つとなると楽なことではないですが、堅実に走る強味を生かして何とか上位に食い込みたいです”と、そこまでのトーンではなかったですけど…」

加茂「ノーヴァレンダは、前走の伏竜Ｓで人気を分けたデアフルーグに完敗したわけやけど、放牧明けで他馬より重い５７キロを背負い、しかも初めて砂を被る形で、馬も気持ちが失せたような走り。とても能力を発揮できたとは言えないやろ。陣営は“中間の放牧でのリフレッシュ効果で、前走時とは動きも雰囲気も違う”とのやし、乗り慣れた北村友騎手に戻って、まともに走れば巻き返しも十分ありまっせ」

細川「ダンツキャッスルも、ここは相手が一気に強化されるとはいえ、“ダートではまだ走りに底を見せていない”と、陣営も色気タップリでしたね」

デスク「あとは、さっきも久光が言っていた短距離志向の馬たち。距離を克服さえできれば、可能性のある馬もいるんじゃないか？」

加茂「ヴァニラアイスは、“気が良すぎるところがあるので、うまくタメが利けば”との前提で、陣営も距離は大丈夫とのことやったけど、それよりも前走とは相手が違うのでどこまでやれるか、が本音やろな」

守屋「僕がちょっと怖いなと思っているのはワイドファラオです。デビュー時の東京で見たときから筋肉モリモリでパワフルな馬体。一度ダートでの走りを見てみたかったので、かなり興味深い一戦ですね。降雨で脚抜きが良くなれば初ダートでもそこまでマイナスにならなさそうですし、唯一の５７キロを背負いますが、素質と能力で押し切っても不思議はないかと」

目黒「辻野助手によると“ダートを使えばすぐに出世できそう”と、厩舎内でも元々話題になっていたそうで、“ＮＨＫマイルＣの後は放牧を挟んでここを目標に。パワーがあるし、フットワークからもダートは絶対合うと思いますよ。芝で重賞を勝っていますが、ＧIレベルでの切れ味を求められると厳しいですね。それでも前走はけっこう踏ん張って、着順のイメージ以上に差のない競馬をしてくれたと思う。初のダート戦が重賞ですけど、不安よりも期待の方が大きいです”とのことなら、狙って損はないですよ」

初ダートに挑むワイドファラオ(白帽)も前売りでは人気に（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「その角居厩舎からはもう一頭送り込んできているけど、“角居厩舎の人気のない方”はマークしておくべきだよな」

目黒「そのエルモンストロですが、“一息入れて馬体がふっくらしたし、いいリフレッシュができた。芝スタートも問題なく、前の方では流れに乗れると思う。ただ、ダートの一線級が相手になるし、ここに入ると甘くないと思う”と辻野助手は、ごくごく控え目な評価でしたけどね」

デスク「その程度のコメントなら、ここは買えないか…。もともと、軸は人気２頭以外で、と決めていたんだが、勝負付けの済んでいない馬の中から、ダンツキャッスルでも買ってみるか。木谷はどうだ？　今週は函館の重賞がメインの仕事となるから、テキトーな予想だと思うけど」

木谷「大谷君がサイクルヒット達成ということで、ここはやはりダイワ“メジャー”産駒でしょう。２頭いますが、どちらかというと“新しい伝説”ことノーヴァレンダの方に期待してみたいですね」