ヴィクトリアマイル 牡馬相手の実績は過信せず ”牝馬戦は牝馬戦に従え”

優馬編集長日誌
ヴィクトリアマイル

3冠好走にヒントがある

 郷に入れば郷に従え、牝馬戦は牝馬戦に従え、なのだろうか。今度は牡馬どうこうの考えを棄てて、3歳牝馬3冠レースの成績を調べてみることにする。

 以下の表は過去9年のヴィクトリアマイル1~3着馬において左から桜花賞、オークス、秋華賞の着順を示したもの。「-」は不出走、「止」は競走中止、(1)はオークスではなくダービーに出走したウオッカの着順。

VM1着馬 VM2着馬 VM3着馬
06年 1 4 4 4 2 1 3
07年 3 17 4 3 2 3 12
08年 2 1 3 9 8
09年 2 (1) 3
10年 1 1 3
11年 1 1 1 1 1 3 11 5
12年 2 3 3 1 4 7
13年 2 2 2 2 3 3 6 15
14年 2 2 2 10 1 1

 これを見ると、1着馬と2着馬においては ”3冠レース出走している限り、すべて3着以内” の成績がある。ここ6年の1着馬、2年前と4年前の2着馬においては全戦3着以内だ。3着馬においても、3冠レースに出走した馬の半数は3着以内の成績が。完成時期が早いとされる牝馬は、3歳の時点で ”勝負あった” となるのか。古馬になって順序付けが大きく変わることはないのか。

 今年のヴィクトリアマイル登録馬のうち、3歳牝馬3冠レースに出走歴のある馬を次の表に示した。着順は上の表と同様、左から桜花賞、オークス、秋華賞。バウンスシャッセの(11)は桜花賞ではなく皐月賞、レッドリヴェールの(12)はオークスではなくダービーである。

サングレアル 7 5
ショウナンパンドラ 1
スイートサルサ 7
スマートレイアー 2
タガノエトワール 3
デニムアンドルビー 3 4
ヌーヴォレコルト 3 1 2
バウンスシャッセ (11) 3 7
ハナズゴール 7 16
メイショウマンボ 10 1 1
レッドリヴェール 2 (12) 6

 3着以内の成績がある馬は8頭。ヌーヴォレコルトは前6年の勝ち馬と同様、3冠レースが全て3着以内だけに注目は当然だろう。ただ、ヌーヴォレコルトの桜花賞3着時の2着馬はレッドリヴェール、秋華賞2着時の1着馬はショウナンパンドラ。この2頭も必然的に要チェックだ。あとは3戦2勝のメイショウマンボにも注意は怠れない。

上田一幸

筆者:


1967年、滋賀県生まれ。大学卒業と同時に入社し、一貫して編集畑を歩む。予想も馬券も徹底した穴狙い。この仕事に携わる以上、馬券購入は義務であると考え、入社以来、馬券を休んだ日はない。現『優馬』編集長。