ダービーは1強ではなく2強 ドゥラメンテVSリアルスティールで評価は真っ二つ

優馬TM座談会
日本ダービー

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“2強”にあらず 伏兵も多し

デスク「そんな“2強ムード”なんて糞喰らえ、と思っている面々に語ってもらいたいが」

久光サトノクラウンも、まだ勝負付けが済んだとは言えませんよ。皐月賞は、イレ込み、出遅れ、他馬を接触して大外を回るロス、などなどあってコンマ7秒差。中間はイレ込み対策も施してますし、馬体もキッチリ戻っています。何せ皐月賞で1番人気だった馬なんですから、オークスでは2着でしたがルージュバックのような復活劇もあると思います」

デスク「その堀厩舎担当のコジが◎サトノクラウンなんだが、確か皐月賞の時に『今回はサトノクラウン◎ですが、ダービーではドゥラメンテが◎です』って言ってなかったっけ?」

小島「んなこと言ってましたっけ? 厩舎サイドも認めてましたが、皐月賞はレース前に終わっていた感じがありますね。もしも、サトノクラウンがまともな状態でスムーズな競馬ができていたら、あそこまでドゥラメンテが楽勝できたかなって思うんですよ。今回はソフトな仕上げで本来の姿に戻ってますし、人気が落ちて気楽な立場で、ルメール騎手も2度目なら、何かマジックを仕掛けてくるんじゃないですか?」

加茂「重い印までは打てなかったんやけど、レーヴミストラルにもチャンスはあるで。陣営は『今は能力だけで走っているが、来年になったら凄い馬になっている』というとるけど、来年2月で定年を迎える師にとっては最後のダービーや。決め手勝負やったら負けへんかもな」

持木「一週前の追い切りでは3頭併せの大外を回り、直前では追走して内から差す実戦向きの調教ができましたね。成長期を迎えて、僕はもう十分に“凄い馬”になっていると見ています」

久光「青葉賞は後半5ハロンが58秒台という持久力比べで、長く叩き合って勝ったレーヴミストラルは、2着のタンタアレグリアともども混戦向きのいい根性がありますね。ともに内目の枠も引けましたし、大仕事の可能性はありますよ」

守屋タンタアレグリアは枠順が決まる前の取材で、国枝師に『ダービーは最近10年が1枠が7連対してますよ』と問いかけたら、『それならもちろん1枠がいいな。オークスでクルミナルがゲート入りを嫌がってゲート内で待たされた馬もいたから、偶数番で』と言ってたんですよ。そしたら、何とまあ最高の枠じゃないですか。仕上げは文句なしですし、あとは蛯名騎手に託すだけですね」

小野智「その蛯名騎手は『皐月賞上位組は強いけど、何とか喰らい付いていきたい』と言ってました。日本語ですから間違いないです」

那谷「枠の話をするならサトノラーゼンだぞ。ここ2走は、インをロスなく運んで追撃を凌ぐという完璧な立ち回りで、“怪物”や“天才”ではないが“優等生”だよな。本当は△くらいの評価が妥当かな、とも思ってたんだが、“運のいい馬がダービーを勝つ”と言われてる中で、近年の“運”は間違いなく枠のこと。ミッキークイーンのオークス制覇で、厩舎も勢いに乗ってるからな」

佐藤直「確かに近年のダービーで穴を演出しているのは内枠の馬。特に先行馬は怖いね」

清野「鞍上も込みで、おっかないですよね」

広田「ええ枠を引いたっちゅうことならポルトドートウィユも怖いで。ダービーという特別なレースを手ぬるい調教で勝てるほど甘くはない、ちゅうのが高野師の持論で、この中間もハードに追われとる。それでも食いは落ちとらんし、毛ヅヤもピカピカや。屋根もダービー5勝ジョッキーなら、大駆けがあっても驚けんのとちゃう?」

デスク「なかなか名前の挙がらない皐月賞3着馬キタサンブラックはどうなんだ?」

「思い通りの調整ができたようやし、陣営も『従順な馬やから距離も心配ない』いうてますわ」

田崎「正直、僕は距離の壁がある馬だと見ています。枠もツライですよね」

小野智「北村宏騎手も『この枠順でガッカリした』と言ってました、しつこいですが、日本語で」

久光「サブちゃんの“まつり”を聴きたかったんですけどね…」

デスク「NHKマイルカップ組で買える可能性があるのはミュゼスルタンくらいかな?」

大江原「“買える可能性”どころじゃないぞ。NHKマイルは上位2頭とは位置取りの差が明暗を分けただけで、GIレベルの能力は示しているだろ。一気の距離延長を不安視する向きもあるけど、3歳馬同士の長丁場でテンからタフな流れにはなりっこないし、折り合いの心配は全くない馬なんだから対応できるはず。鞍上も、イチかバチかの勝負をしてくれると思っているんだ」

伊利「僕は同じミュゼでも、ミュゼエイリアンの方を。昨年12番人気で3着のマイネルフロスト、一昨年8番人気で3着アポロソニックと、近2年で3連単の穴をあけた2頭はいずれもダンチヒとロベルトの血を持っていました。この馬も両方の血を持ってますし、父スクリーンヒーロー、母の父エルコンドルパサーともに現役時代は重い芝を得意としており、産駒もその傾向を受け継いでいます。馬場が渋りそうな今年は侮れない存在になりますね」

守屋「毎日杯は先行して勝ったのに、前走の皐月賞は中団から運びましたよね。黒岩師に今度はどっちで?と聞いたんですが『作戦は言えないかなぁ~。ヒ・ミ・ツ』と煙に巻かれてしまったんですよ。その皐月賞では、クラリスティスカイをまさかの逃げで5着に残し、返す刀のNHKマイルカップを勝った横山典騎手ですから、大一番ではやっぱり怖いですよね…。って、僕は無印ですが」

デスク「ちょっと守屋の“ヒ・ミ・ツ”が気持ち悪かったが、伊利データの披露も済んだし。あとはアレか…。あぁ、スマンスマン、編集長の◎アダムスブリッジを忘れてたわ」

上田「皐月賞のドゥラメンテが圧倒的な強さだったことは素直に認めますし、デビュー以来5戦全てで上がり最速、という凄い破壊力の持ち主です。でも、それならアダムスブリッジはどうよ。こちらも3戦全て上がり最速じゃないですか。ドゥラメンテの2着探しをするんじゃなく、強いドゥラメンテの更に上を行く決め手で逆転する可能性がある馬を探すのなら、当然この馬でしょ。別にオークスのローデッドほど穴を狙ったわけではないんだけど…」

デスク「喰ってかかられても困るんだが、ここまで順調に来れてなかった馬だからな。陣営のハナシはどうなんだ?」

瀬古「皐月賞の回避が決まったあとは放牧へ出して様子を見たんですが、一時は京都新聞杯を使うプランも出たほどで、回復には手間取らなかったようです。ダービーも登録してダメなら(賞金不足なら)白百合ステークスへ、ということだったので、しっかりと調整はできていますよ。ただ、初の長距離輸送になりますし、今まで8頭立てが最多だった馬がGIのフルゲートに対応できるかとなると、常識的には厳しいかもしれませんね。編集長の言うように未知の魅力はありますけど…」

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