ファンの期待に応えるのがスターホース! ドゥラメンテ、次は世界へ

佐藤直文 レース回顧
中山記念
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役者の違いを見せ付けて ドゥラメンテ

 朝からたくさんのファンが詰め掛けて、最終的な入場人員は3万5千人を超えた日曜の中山競馬場。GIスプリンターズS施行時並みの観衆のお目当ては、もちろん9ヶ月ぶりの復帰戦となったドゥラメンテであり、拍手が起こったウイニングランも、まさにGI並みの盛り上がりだった。今日初めて競馬場に来た人がいたとすれば、必ずや“また来よう”と思ったはずだ。ファンが待ち望んだスターホースの復帰戦で、期待に応える強さを見せての勝利。どんなファンサービスにも敵わない、レースの醍醐味を堪能できたことだろう。

 ドゥラメンテは、放牧先でも入念に調整されてきたとはいえ、帰厩後に初めて強い追い切りをかけたのが、わずか1週前の水曜日。実質の追い切り2本は、間違いなく追い不足であり、それだけ余裕を持った仕上げであった。それでも勝つのは役者の違い。ゴール前でクビ差まで迫られたのは、余裕の仕上げだった分であり、完調であればはたして何馬身水を開けたことか。もちろん、これで重賞施行機会5連勝となったミルコ・デムーロ騎手の腕も見逃せなかった。皐月賞での4コーナーは、少なからずトラウマになっていたと思えるが、躊躇なく外目に持ち出しで、スムーズに回ったあたりは、人も馬も凄かった。正式発表は数日後となるが、次はおそらくドバイシーマクラシック(芝2410m)。中3週となるが、ソフトな仕上げだった今回は、いい叩き台となるはずで、期待したい。

ドゥラメンテ

9ヶ月ぶりの実戦で見事な勝利を収めたドゥラメンテ(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アンビシャスは、スタートが一息だったこともあったが、道中での後方待機は、おそらくルメール騎手の“決め撃ち”だったと思える。決め手を信じて、同じ小回り福島でのラジオNIKKEI賞のイメージで、最大限に持ち味を生かし切ったが、相手が一枚上だっただけのこと。このメンバーでの2着は胸を張れるものであり、怪物不在時の中距離GIなら主役を演じることができるはずだ。

 3着リアルスティールは、一言で言えば、煮え切らない競馬だった。道中はドゥラメンテを見る位置で運んだが、敵が仕掛けたところで追うわけでもなく、決め撃ちのアンビシャスとは対照的に中途半端なレース運びだったように思えた。直線でもアンビシャスが外から来てようやくエンジンが掛かったものの、時すでに遅しの感。能力の問題ではなく、乗り方の問題という印象を受け、上位2頭の外国人騎手が乗っていれば、違った結果になっていたのではないだろうか。

 上位3頭が4歳勢ということで、世代の格差をハッキリと示した結果と言えるが、これに次いだ4着フルーキー、5着レッドレイヴンは、ともに6歳馬。フルーキーは順調さを生かして力を出し切ったものであり、レッドレイヴンも久々を考えれば、よく走っている。

 情けなかったのが間の世代、5歳馬のイスラボニータだ。他と比べて特に仕上りに問題があったように思えなかったし、良くも悪くも相手なりに走ってこれまで2000m以下では掲示板を外したことがなかった馬だ。せめて4歳勢に次ぐ位置で入線してほしかったが、ダービー馬や菊花賞馬のその後を考えても、現5歳世代のレベルに疑問符が付く結果である。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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