完璧な立ち回りでネオリアリズムがV アンビシャスは次に繋がる敗戦

佐藤直文 レース回顧
中山記念

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変則ラップも何のその またまたミルコだネオリアリズム

 行きたい馬が揃って先行争いに注目された一戦だったが、ロゴタイプがハナへ行ったことにより、逃げ馬勢が好位で自重する展開。前半3ハロンが37秒4、4ハロン通過が50秒3というのは、同距離だった5レースの未勝利戦が48秒9(それでもスローペース)だったことを考えれば、かなり遅い流れだった。ただ、そこからマイネルミラノが動いたことによって一気にペースが上がり、ゴールまでは11秒台のラップが続く形では、後方待機の馬、特に外を回って差す馬には厳しい流れだったと言える。

 ネオリアリズムは、とにかく折り合いが鍵となる馬だが、この遅い流れでも前に馬を置く形でデムーロ騎手が巧く我慢させていた。途中でマイネルが動いた時も、即座に対応してその後ろに、という立ち回りも完璧で、常にインをピッタリ回ってロスなく運べたことで、理想的な好位差しとなった。とにかく乗れている鞍上の思いのままに、といったレースぶりであったが、能力的にも、次走はどこであってもGIで勝負になるだけのレベルにあるだろう。

ネオリアリズム

好調な鞍上に導かれネオリアリズム(白帽)が優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サクラアンプルールは、先行有利のスローペースで位置取りとしてはけっして恵まれた形ではなかったが、これまたインをピッタリ回るロスのない競馬。鞍上が手の内に入れていたことも確かだが、中山コースの適性が高く、距離もベストと言える1800mで最高のパフォーマンスを見せたと言える。加えて、同舞台の2走前に1分47秒4と、今日の決着タイムより速い時計で勝っているのなら、これだけ走れても全く不思議はないだろう。

 3着ロゴタイプは、途中までは昨年の安田記念と同じ展開で、マイネルに来られずにマイペースで運べていたら、その再現があったかもしれない。直線では一旦抜け出して、見せ場を十分に作ったあたり、まだまだ力に衰えはない。

 4着アンビシャスは、前述したように、今日の流れで後方から外を回る形では届かなくて当然だった。目標とする大阪杯へ向けての叩き台として、勝っておきたかったことは確かでも、けっして悪い内容ではなく、次へ繋がる競馬はできたように思う。

 5着ヴィブロスは、稽古でビシビシと追われながらもプラス10キロと馬体に成長を示し、今日の流れでも折り合いに苦労する面を見せなかった。今ひとつ弾けなかったとはいえ、このメンバーでもやれることを示した形で、これまた次へ繋がるレースと言えよう。

 リアルスティールは、課題の折り合いも付いてスムーズに流れに乗れていたように見えたが、ペースが上がったところで手応えが怪しくなり、直線でも全く反応しなかった。58キロの斤量が応えたとも思えず、久々でももう少し格好を付けられる馬だと思うのだが…。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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