余すことなく発揮した能力 大きなハナ差でジュールポレール

佐藤直文 レース回顧
ヴィクトリアマイル

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初重賞をGIで ジュールポレール

 午後になって降り始めた雨の影響で、昨年に続いて稍重発表の馬場となったが、直前までは良馬場を維持していたように、せいぜいコンマ2、3秒くらい時計がかかる程度だったか。その馬場状態で前半3ハロンが35秒2というのは、明らかにゆったりとした流れであり、後方待機組には厳しい展開だったと言える。

 ジュールポレールは、中団前めの外をスムーズに運んだが、昨年は少し仕掛けが遅れたのに対し、先に抜け出した3着馬を目標にキッチリと捉え、2着馬の猛追を凌いだもの。スローな流れで少し行きたがる面を見せた馬も多かった中で、しっかりと折り合えていたことで、力を余すことなく発揮できたように思う。長くいい脚を使える点で東京マイルはベストの舞台であり、同じようなスムーズな競馬ができれば、牡馬相手の安田記念でもひょっとするかもしれない。

ジュールポレール

大接戦のゴール前をハナ差制したのはジュールポレール(黒帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着リスグラシューは、外枠からロスを避けてうまく内に入れたあたりはさすがに武豊騎手。無駄に動かず位置取りこそ後ろではあったが、これがこの馬の競馬であり、前半がもう少し速く流れていれば楽に差し切っていただろう。これまた次走の安田記念では、すでに東京新聞杯で牡馬を蹴散らしているだけに、有力の一頭に数えていい。

 3着レッドアヴァンセは、前を行く4着馬を目標に早目に仕掛けて一旦は抜け出す形。逆に後続の目標となっただけに、結果的には仕掛けが早かったのだろうが、これはこれで自分の競馬ができて持てる力をフルに発揮したと言える。

 4着アエロリットは、スローの2番手なら普通は展開有利となるはずだが、この馬には少し遅すぎたか。直線で交わされてからも渋太く粘ったとはいえ、上位3頭が通った馬場の真ん中あたりと比べても伸びないポジションでは仕方なかった。

 5着ミスパンテールは、立ち遅れたこともあって今日は中団での待機策となったが、少し道中でスムーズさを欠く面が見られた。ただ、それでもキャリアを考えれば、GIでここまで走れば上等と言える内容だったか。

 アドマイヤリードは、元々それほど時計の裏付けがない馬。同じ稍重でも1分33秒9の決着だった昨年よりも速い馬場に対応できなかったと言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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