この馬はまだまだ強くなる モズアスコットが連闘でGIゲット

佐藤直文 レース回顧
安田記念
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鞍上の的確な判断も光った モズアスコット

 ただでさえ高速化している今の東京の馬場で、前半3ハロン34秒2、1000m通過56秒8という速いラップが刻まれたとあっては、コースレコードタイとなる1分31秒3の決着も驚くにあたらない。ただ、これだけ速い時計の決着になると、ちょっとしたロスが命取りとなり、力の差はないと思える上位入線馬の結果を分けたのも、そのあたりだろう。

 モズアスコットは、スタート後の位置取りよりも下がった中団の後ろで4コーナーを回ったが、とにかく道中は無駄な動きが一切なく、残り400m地点ではスワーヴリチャードの直後のポジションに。ここに居れば、けっして前が壁になることはないという鞍上の判断だったろう。そして、その読み通りに開いたスペースを伸びた見事な勝利であった。登録の段階で賞金不足だったゆえに、一週前のオープン特別を使っての連闘という異例のローテーションとなったが、前走はキッチリ仕上げて使ったわけではなく、いい調教替わりになったと思える。そして何より、素晴らしい騎乗ぶりだったルメール騎手を確保できたことが、最大の勝因と言っていい。ただ、3歳6月のデビューから1年足らずで、キャリアもまだ11戦目。この馬はまだまだ強くなる。

モズアスコット

異例のローテーションで挑んだモズアスコットがGI初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アエロリットは、好位のインをロスなく立ち回り、直線で早目に先頭に立って押し切りを図る形。同じ競馬だった前走のヴィクトリアマイルは、スローの瞬発力勝負となって持ち味を生かせなかったが、今日の流れでこの形は自分の競馬ができたと言える。最後に勝ち馬に差されたのは相手を褒めるべきで、これは仕方なかった。

 3着スワーヴリチャードは、課題のスタートを決めて、これまた好位のインをロスなく立ち回ったが、ラストにもうひと伸びを欠いたのは、この高速決着でのマイル適性の差だったろう。むしろ初めてのマイル戦でこの時計で駆けたのだから、立派な3着と言えるのではないか。

 4着サトノアレスは、ちょうど下を向いた時にゲートが開いて立ち遅れたもの。内枠もあって、直線では腹をくくっての大外強襲となったが、一旦は突き抜けるかのシーンがありながら、ラスト100mで脚色が同じになってしまった。ただ、コースロスを考えても力は示す内容だったと思う。

 5着サングレーザーは、序盤から福永騎手がダービーと同じようにポジションを取りに行ったが、その分だけ直線では弾けなかった。ただ、これは外枠を引いただけに仕方なく、逆に後方待機の直線勝負では届く時計ではなかっただろう。

 ペルシアンナイトは、序盤に力みを見せながら川田騎手が何とか宥めて直線を向いたところまでは良かったが、そこから右へ左へ進路を探しながらウロウロしたのが痛かった。あそこでジッとできていれば、ほぼ同じ位置に居た勝ち馬のように進路が開いたはずで、実にもったいない競馬となったように思う。リスグラシューは、この馬なりに走ってはいたが、今日の時計が速すぎたか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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