ルメールは知っていた ミッキーグローリー「極上のキレ味」

佐藤直文 レース回顧
関屋記念

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長休明けでも力が違った ミッキーグローリー

 昨年までの10年間の勝ち馬のうち、逃げ切った馬が3頭いる一方で、上がり3ハロンが最速だった馬は僅か1頭。直線は日本一の長さを誇る新潟外回りコースが舞台とはいえ、イメージほどキレ味がモノを言うレースではなく、瞬発力を最大の武器とする馬よりも、トップスピードを長く維持できるタイプに分があると言える。今年は半マイルが46秒5のラップだったが、離して逃げていた馬はともかく、2番手以下の馬にとってはスローな流れであり、展開的には好位~中団で流れに乗れていた馬に有利だったはずだ。

 ミッキーグローリーは、本来は自在性もある馬だけに、もう少しポジションを取って流れに乗るかと思っていたのだが、意外なほど後方から運ぶ形に。ただ、休み明けの分もあったのだろうが、リズム重視で運んで脚を溜めることができれば極上のキレ味を使えることを、ルメール騎手が十分に把握した上で、今日のような競馬ができるとの感触を得ていたからこそであろう。流れとしては、2・3着馬に分があった形でも、残り1ハロンを切ってからグングンと脚を伸ばして差し切った能力は、間違いなくGI級。6歳とはいえまだキャリアも13戦と馬は若いだけに、秋のマイル戦線でも主役級の走りが期待できる。

ミッキーグローリー

GI級の豪脚で他馬を差し切ったミッキーグローリー(手前橙帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ミエノサクシードは、今日の流れで中団より前というのは理想的なポジション取り。直線を向いて、3着馬を目標にスパートしたこともけっして早仕掛けではなく、持ち味を生かし切る最高の騎乗であった。ただただ、勝ち馬の強さを褒めるしかない結果だろう。

 3着ソーグリッタリングは、持ち前の自在性を生かして前々で運んだことが好走の因と言えたが、逃げた馬の急失速により後続の目標とされながらも、よく踏ん張っていた。距離の融通も利く馬だけに、重賞制覇のチャンスもそう遠くはないはずだ。

 4着ディメンシオンは、中団で流れに乗り、直線の残り1ハロン地点では外から突き抜けるかのシーンもあった。そこから直後にいた勝ち馬に並ぶ間もなく交わされたとはいえ、牝馬同士の重賞ならもう勝ち負けになるレベルだろう。

 5着サラキアは、逃げた前走とは一転して中団に控えて流れに乗る形だったが、結果的には前目で運んだ方が良かったか。

 ロシュフォールは、新潟大賞典のような競馬では届かないとの判断からか、意識的に流れに乗せる競馬だったが、マイルは少し忙しいのかもしれない。ケイデンスコールも、いつものようにジックリと溜めて運ぶ形ではなく、ある程度流れに乗せる形だったが、それでもここまで負けたのは、状態に問題があったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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