驚異的な数字でスカーレットカラー 大敗プリモシーンは「心配」

佐藤直文 レース回顧
府中牝馬S

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ハイレベルの戦いを制し スカーレットカラーが秋ドラのヒロインへ

 稍重発表の馬場であったが、決着タイムの1分44秒5はコースレコードに遅れることコンマ3秒という驚異的な数字で、パンパンの良馬場であったなら、間違いなくレコードが塗り替えられていただろう。春のヴィクトリアマイルもそうであったが、現在の牝馬のトップグループは牡馬のトップと遜色がないどころか、それ以上。数字からはそう判断せざるを得ない。

 スカーレットカラーは、直線を向くまで後方2番手のポジションで、前半1000m58秒3の速い流れで展開もハマったと言えるが、馬なりのまま馬群を捌いて突き抜けた脚は完全本格化を示すものだった。デビュー以来最高体重での勝利も成長の裏付けだが、このあと反動さえ出なければGIでも、というレベルに達しているだろう。

スカーレットカラー

後方から一閃、スカーレットカラーが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着フロンテアクイーンは、中団から人気の3着馬を目標に運んで、これをしっかりと捉えたものの、勝ち馬の決め手に屈したもの。これで通算7度目の重賞2着となったが、追って渋太く脚を使えるという点でも、東京1800mは最も力を出し切れるコースかもしれない。

 3着ラッキーライラックは、淀みのないペースの中で結果的には仕掛け早だったと言えるが、目標とされた分もあった。能力自体は示しており、次走はもっと高いパフォーマンスを見せることができるだろう。

 4着オールフォーラヴは、前目で運ぶ自分の競馬で力を出し切ったと言えるが、今日のメンバーと時計でここまでやれたことは、今後に繋がるはずだ。

 5着クロコスミアは、速い流れを追いかけたとはいえ、最後に伸びを欠いたあたり、まだ本調子になかったか。1800mにも実績はある馬だが、もう少し距離も欲しいと言える。

 プリモシーンは、勝ち馬同様の後方待機だったが、プラス12キロと少し重目残りだったにしろ、ここまで反応しなかったのは別に敗因があるのだろう。気性的にも難しい面を抱える馬であり、大敗の精神的ダメージも心配されるところだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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