【青葉賞回顧】“究極の瞬発力勝負”ねじ伏せたエネルジコ 皐月賞組にも「大きくアピール」

佐藤直文 レース回顧
青葉賞

究極の瞬発力勝負を制し エネルジコが無傷で本番へ

 発走直前の大雨により、もちろん発表は良馬場のままではあったが少し下が緩んだ状態。前半1000mが59秒9で、その後もペースが淀んだことにより、道中の位置取りに問われることのない究極の瞬発力勝負となった。

 エネルジコは、パドックでもカリカリしていてテンションが高かったが、こういったタイプが緩んだ馬場でピタリと折り合いが付くのはよく見られるシーン。折り合い重視のまま4コーナーでは最後方のポジションだったが、前にいた2着馬がいい目標となって、ラスト1ハロン11秒2の上がり勝負を大外から豪快にねじ伏せてみせた。今年から本番までの間隔も1週延びたローテーションとなるが、無傷の3連勝で皐月賞組にも大きく存在をアピールする形となった。

エネルジコ

大外から1番人気エネルジコ(橙帽)が豪快に差し切りダービー候補に名乗り

 2着ファイアンクランツは、理想はもう一列前だったかもしれないが、こちらもまた折り合い重視の競馬。最後は勝ち馬にマークされながらも“出走権獲得”という最低限の結果を引き寄せたことは、良しとすべきだろう。

 3着ゲルチュタールは、早目に動いて勝ちに行く競馬で僅差に踏ん張ってみせたが、結果こそ残念だったものの力は十分に示した。

 4着レッドバンデは、うまく立ち回って最後も内からよく脚を伸ばしていた。2月デビューでのキャリア3戦目で、まだまだこれからの馬であり、秋に期待したい。

 5着アマキヒは、上位にはキレ負けした形だが、これまたまだこれからの馬だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。