距離もコースもベストの舞台で、アスカノロマンが重賞初制覇

佐藤直文 レース回顧
東海S

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流れ有利も充実示す アスカノロマン

 中京の東海Sは、重賞としては明らかに遅い、前半1000mが62秒9の流れ。逃げた馬と2番手の馬が入れ替わっただけの決着で、そこから3着が3馬身半というのは少し味気なかったか。GIIとしては、少し低レベルの一戦だったかもしれない。

 アスカノロマンは、逃げ馬をマークする形の2番手から。しっかりと脚を溜められるペースに加え、後ろからのプレッシャーもなくマイペースを守ることができたことが最大の勝因だろう。今回は、距離もコースもベストと言える舞台だったが、充実を示していることも確かで、こういう自分の型で運ぶことができれば、ワンランク上の相手でも侮れない存在となる。

アスカノロマン

2番手追走から抜け出したアスカノロマンが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着モンドクラッセは、よく立て直されて状態も良かった。前述したスローペースで逃げて、3着以下にも決定的な差を付けているのだから勝ち馬を褒めるしかないが、欲を言えば勝ち馬のような立ち回りができていれば、と言ったところか。逃げ一辺倒では今後もメンバー次第となりそうだ。

 ロワジャルダンは、出して行っていつもよりは前目の位置取りだったが、それでも今日の流れでは3着確保が精一杯となったのも仕方がない。浜中騎手の負傷による急遽の乗り替わりだったという点でも、情状酌量の余地がある。

 4着ダブルスターは、3番手で運んで、3着馬に交わされながらもポジションを守った形。重賞では正直足りない馬でも入着できたという、要はそういう流れだった。

 5着グランドシチーは、勝負にはならなかったものの、後方からよく追い上げていた。これで当レースは3年連続での掲示板と、コース適性を示した形だが、9歳を迎えても元気一杯。交流重賞なら、まだチャンスがあるかもしれない。

 インカンテーションは、スタートが良くなかったことも確かだったが、本来のデキならあれほど行けない馬ではない。やはり骨折明けでの8ヶ月ぶりで、7~8分程度の状態だったのだろう。次走予定のフェブラリーSでは、キッチリと変わってくるはずだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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