テン乗り丸田のエスコートで、3歳牝馬ソルヴェイグがレコードV

佐藤直文 レース回顧
函館スプリントS

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史上初となる3歳馬のワンツー決着 差し返してソルヴェイグ

 開幕週とはいえ、金曜に大雨が降った影響が少なからず残る馬場にもかかわらずのレコード決着。ただ、日曜は直前の500万条件でもレコードにコンマ1秒差の好タイムが出ており、以前のような一雨降ると極端に重たくなる洋芝の面影はない。加えて、エアレーションの効果により、従来の内有利ではなく、むしろ外の方がいい馬場なのではないか、とすら感じた。

 ソルヴェイグは、スタートで出して行きつつ、ハナを主張したローレルベローチェとの競り合いを避けて、2番手外目をスムーズに運んだもの。状態の良さに加えて、50キロの斤量、速い時計の出る馬場も合っていたと言えるが、何よりテン乗りにもかかわらず持ち味を最大限に引き出した丸田騎手の好騎乗を褒めるべきであろう。

 2着シュウジは、直線で内をすくって一旦は勝ち馬よりも前に出ながら、ゴール前で差し返された形。マイルでも勝ち鞍があるとはいえ、今日ですら前半で掛かっていたほどの気性を考えれば、スプリント戦が現状ベストの馬であろう。これまた52キロの斤量で、古馬相手にはその差も生きたと言える。

 3着レッツゴードンキは、テンに無理することなく、枠なりに中団のインをスムーズに運び、最後までソツなく器用さを生かし切ったもの。この距離でも経験さえ積めば結果も出るはずであり、復活の日もそう遠くはないだろう。

 4着アクティブミノルは、好位で運びながら結果的に前を捕まられなかった点に不満は残るが、極端に速い上がりを使える馬でもなく、現状での力通りと言えるかもしれない。

 5着エポワスは、ゴール前の脚色は目立っていたが、テンに行けない馬だけにここまでが精一杯だったか。ただ、北海道の洋芝適性は高く、年齢的な衰えもないので、今後もマークが必要だろう。

 オメガヴェンデッタは、直線で先団の外へ持ち出したあたりで、差し切るのかとも思わせたが、そこからは脚色が一緒になったもの。ただ、今回は前の組の競馬であり、これまた力通りには走っている。連覇を狙ったティーハーフは、昨年とは馬場も流れも違っていた中で、昨年と同じ大外一気が決まらなくてごく当然。時計勝負の馬場では、ハナから厳しい馬である。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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