あんな競馬ができるのか 完璧なレース運びでモーリスが完勝

【佐藤直文 先週のレース回顧】
GI初挑戦にして1番人気に推された安田記念のモーリス。戦前の不安を一掃する正攻法の競馬で、混沌としていたマイル界の頂点に立った。

佐藤直文 レース回顧
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まさかの正攻法で モーリス完勝 【安田記念】

 好発を切ったミッキーアイルがスッと下げた中、外枠から気合を付けて前へ行こうとしたケイアイエレガントを制してリアルインパクトがハナへ。けっして予想された展開ではなかったが、半マイル45秒9、1000m通過57秒3という適度なペースは、各馬が力を出し切れる流れだったように思えた。

 “あんな競馬ができるのか”というのがモーリスに対する正直な感想。レース後のコメントによると、川田騎手は、ポンとスタートを切れた時と出遅れた時の2つのパターンを想定していたようだが、それを知っていても大方の予想は“どうせまた出遅れるのだろう”というものだったはずだ。

 印を下げた根拠でもあった、これまでの勝利が全て直線の短いコースであったことも、これだけきちんとゲートを出て、難なく好位に収まることができたのなら杞憂に過ぎなかった。厩舎の力、馬の成長、そしてこれだけの完璧なレース運びができたことでの勝利。早目に先頭に立ったことで、最後はクビ差まで詰め寄られたものの、内容的には“完勝”だったと言える。

正攻法で安田記念を制したモーリス(撮影:日刊ゲンダイ)

正攻法で安田記念を制したモーリス(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ヴァンセンヌは、道中ではロスを最小限に抑える運びで、スローだった前走とは違って流れも理想的だった。惜しむらくは、直線で一旦内に進路を取ろうと躊躇してから外へ持ち出したこと。リプレイを観ての結果論ではあるが、腹を括って内を突いていれば、抜けてくるだけのスペースがあったように思える。もう数m早く馬体を接しての追い比べができていれば、このクビ差もどうなっていたかわからない。

 3着クラレントは、改めて左回りのマイル戦での強さを思い知らされた形。4着フィエロは、課題の折り合いもスムーズでポジションも絶好だったように思えたが、直線では伸びそうで伸びずの形。右回りの方がいいのか、直線の坂が応えたのか、底力の必要な東京マイルでは微妙に距離が長いのか、何とも言えないが、本来はもっと弾けることができたはずの馬だ。5着ケイアイエレガントは、外枠から果敢に先行して渋太く粘ったあたり、本当に力を付けている。このメンバーでの掲示板確保は、前走がフロックではなかったことの証明でもあった。

 ダノンシャークは、マイラーズカップ回避の影響が最小限にとどまったとはいえ、やはりレース間隔が空いた影響があったか。ミッキーアイルは、レース前からイレ込んで、発汗もキツかった。これだけテンションが上がってしまうと、競馬にならなかったのも仕方がない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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