更に進化したキタサンブラック 天皇賞で有馬のリベンジを

佐藤直文 レース回顧
大阪杯

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これが王者の走り 今年も主役はキタサンブラック

 GI昇格元年となった大阪杯だが、GIIだった昨年までは有力馬が春の始動戦となるケースが多かったのに対し、今年は一度使って万全の態勢で、という馬が大半を占めた。そんな中で、昨年の年度代表馬であるキタサンブラックは、昨年同様にここを始動戦に。ジャパンC、有馬記念と年末に激闘した疲れを癒すには、やはりある程度の時間が必要で、ぶっつけとなるのも仕方ないが、やはり昨年と違うのは“GI仕様”の仕上げだったということだ。

 注文通りにマルターズアポジーが離して逃げる展開だったが、前半1000mは59秒6と、多少渋り気味だった馬場を考えてもそれほど速くはなかった。近走はハナか2番手の競馬が続いていたキタサンブラックだが、道中は3番手の位置取り。例によって折り合いはスムーズで、勝負どころで前との差を詰めると、直線でアッサリと抜け出して勝負を決めた。今日の馬場で1分58秒9の決着タイムは、GIにふさわしい優秀さであり、この時計で駆けられては、後ろから何も来なかったのも頷ける。中間は一日3本の登坂など、攻めて鍛えられてのプラス4キロの馬体は、更に進化したと言って良く、天皇賞で有馬のリベンジを果たす可能性も高まったように思える。

 2着ステファノスは、テンから出して行って、キタサンの直後にピタリと付ける形。これはおそらく作戦通りで、目標を一頭に絞って勝負を挑んだものだろう。またもタイトルに手が届かなかったとはいえ、2走前の香港カップでも今日のような立ち回りができていた馬であり、叩き2戦目でキッチリと結果を出す馬が、持てる力を出し切ったと見ていい。

 3着ヤマカツエースは、外枠もあってか道中の位置取りが理想よりも少し後ろになった感を受けたが、上位2頭が34秒台前半で上がった流れでよく追い詰めたと言える。これまでGIでは厚い壁に阻まれてきた馬だが、目下の充実ぶりは本物であり、流れひとつで勝ち負けできるレベルまで来ている。

 4着マカヒキは、伸びそうで伸びない、というもどかしい競馬だったように思えるが、基本的に直線の長いコースが合う馬で、阪神内回りでは能力をフルに発揮できず、距離ももっとあった方がいいのだろう。本領発揮は、次の機会となるはずだ。

 5着アンビシャスは、昨年のような競馬ができていたら、という感も受けるが、今回は折り合い重視で後方から。マークする相手(マカヒキ)を間違えたと言えなくもないが、最速の上がりで差を詰めており、力自体は示している。

サトノクラウンは、道中の位置取りは悪くなかったが、勝負どころで少し置かれ気味に。この馬もまた2000mは少し短いか。ミッキーロケットは、スタートこそ互角に出たが、その後の走りがスムーズさを欠いていた。ラストもそれなりに脚を使って能力は見せたものの、まだGIで勝負になるには課題が残っていると言える。

キタサンブラック

年度代表馬の貫禄を見せたキタサンブラック(撮影:日刊ゲンダイ)

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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