完璧なレースぶりで末脚全開 アルアインが男の意地を見せる

佐藤直文 レース回顧
皐月賞
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レースレコード決着で アルアイン

 一週前の中山は雨の影響もあっての道悪馬場で、これが良馬場に回復したとしても来週は少し時計のかかる馬場になるのではと感じ、中間も火曜にかなりの降雨があったことを考えれば、以降の好天続きでも、よもやここまでの高速馬場になるとは思わなかった。1分57秒8という昨年のディーマジェスティがマークしたレースレコードをコンマ1秒更新する決着タイムも、低調と言われた今年の3歳牡馬世代が、実は昨年の上位組や一昨年のドゥラメンテを上回るレベルだったというわけではあるまい。芝刈りなどを施して例年以上のGI仕様に仕上げられた馬場がもたらした、数字のマジックと言えるだろう。

 ともあれ、アルアインはこれ以上ない完璧なレースぶりだった。速いかに思えた前半1000m59秒0のラップは、激流だった昨年の58秒4よりも遅く、前述した高速馬場を考えればそれほどの流れではなかった。これを、1番人気ファンディーナを見る形の好位でピタリを折り合えたのだから、思い通りの競馬ができたはずであり、このあたりは前走の毎日杯で先行したことが生きたと言える。3~4コーナーでは仕掛けたファンディーナに少し置かれ加減だったが、直線を向いて巧く内に進路を見つけ、あとは持ち前の末脚が全開。毎日杯の時計自体も、ディープスカイやキズナに次ぐ優秀なものだっただけに、高速決着でのこの結果にも頷ける。ダービーでは、距離云々よりもタフな馬場になった時にどうか、と言えるだろう。

アルアイン

絶好位から鋭い脚を見せた9番人気アルアインが戴冠(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ペルシアンナイトは、最初のコーナーでスムーズさを欠いてポジションが悪くなったが、向正面から内をスルスルと進出して4コーナーでは射程圏に。ただ、4コーナーでも膨れ加減で、クビ差負けもその分だったか。いずれにせよ、負けて強しの堂々たる内容だった。

 3着ダンビュライトは、好位の外目で注文通りの競馬ができていた。暮れの朝日杯では惨敗したが、当時は2番人気の支持を受けていた馬であり、まともに走ればこの結果も不思議はなかったと言える。

 4着クリンチャーは、道中3番手から動いて出て4角先頭。直線半ばでは馬群に呑み込まれるかと思わせたが、坂を上がってから渋太く踏ん張っていた。後ろからは差しづらい決着で、積極策が功を奏した形だ。

 5着レイデオロは、後方からよく差を詰めて能力は示したが、今日のような上がりの速い馬場ではここまでだったか。ただ、どこかで一回使えていれば、勝負になった可能性は十分あり、ダービーでの巻き返しに注目したい。

 スワーヴリチャードは、外を回る形が応えたと言えるが、直線を向いても右手前のまま走っていた。右回りよりも左回りの馬、これまたダービーで巻き返しがあっていい。ファンディーナは、序盤はぶつけられて掛かり気味だったが、4コーナーまでは自分の競馬ができていた。最後は牡馬の壁、とも言えるが、高速決着など経験の差も出た感も受け、牝馬同士の戦いに戻れば見直す手だろう。カデナは、序盤は後方で運び向正面で2着馬の後を追ってインから進出していたが、直線でジリジリとしか伸びなかったのは道中で脚を使った分か。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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