“ユタカ・マジック”で逃げ切りステイインシアトルは、夏競馬での注目株

佐藤直文 レース回顧
鳴尾記念
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6歳でもキャリアはまだ10戦目 ステイインシアトル

 一昨年にはラブリーデイがここでの勝利をステップに宝塚記念を制しているように、GIIIながら夏のグランプリを目指す有力馬が集まる傾向にある一戦だが、今年は頭数のみならずメンバーの質自体も少し淋しい顔ぶれ。このあたりは同じ2000mの大阪杯がGIに昇格した影響かとも思えるが、スローペースだったとはいえ開幕週の絶好の馬場で1分59秒4という平凡なタイムが、メンバーレベルを物語った印象を受けた。

 ステイインシアトルは、外枠からスムーズにハナへ位って、前半1000mのラップは61秒6というスローの逃げ。見事な“ユタカ・マジック”が決まったと言えるが、見方を変えれば、本来の自分の競馬をしただけで、他の馬がだらしなかったとも言える。ただ、6歳とはいえキャリアは僅か10戦で、まだ伸びしろのある馬であり、持ち前の機動力でサマーシリーズでも活躍を見込んでいいだろう。

ステイインシアトル

スローペースな逃げから追撃を凌いだステイインシアトル(桃帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着スマートレイアーは、スタートで外にいた勝ち馬が行く構えを見せたことで控える形。道中もいつもより後ろの中団からの直線勝負で、格下と思える相手に力は示したが、勝ち馬を負かしに行く競馬ではなかったように思えた。

 3着マイネルフロストは、ペースを考えれば絶好位と言える道中3番手だったが、瞬発力勝負では分が悪いだけに、早目に勝ち馬に並びかけるなどの工夫が欲しかった。直線を向いてから追い出された今日の競馬では、勝てなくて当然だ。

 4着スズカデヴィアスは、道中後方から外を回る形で、2着馬に次ぐ上がりを計時。今ひとつ掴みどころのない馬だが、2走前の金鯱賞もそうだったように、溜めて末脚を生かす競馬がいいのかもしれない。

 5着スピリッツミノルは、中距離では追走に苦労する馬だが、今日はスローだったことで中団に流れに乗れたことが善戦の因だろう。

 デニムアンドルビーは、展開も向かなかったとはいえ、今日はプラス12キロの重目残りも響いたか。末脚勝負型のディープインパクト産駒は、阪神内回りが一息でもある。バンドワゴンは、道中は3着馬の外の好位置で運んでいたが、行ったら行ったで良くないのか。いずれにしろ、まだ本物になっていない印象を受けた。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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