直千スペシャリスト西田の熟練の技 ラインミーティアが重賞初V

佐藤直文 レース回顧
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見事な騎乗で、ラインミーティアが直一気

 直線1000mと言えば外枠有利がもはや定説ではあるが、実のところ明らかに有利と言えるのは距離ロスなく運べる逃げ・先行馬であって、外枠を引いた追込馬にとっては馬群を捌くのに苦労して進路を内に切り替えなければならないケースも見受けられる。そういう点も含めて進路取りの判断が問われる直線1000mで、久々にそのスペシャリストと言えるジョッキーの騎乗を見ることができた。

 ラインミーティアは、外枠を引いた3走前の邁進特別と前走の韋駄天Sでメンバー最速の上がり3ハロン31秒6を計時していたが、今回もまた外枠を引いて上がりも全く同じ31秒6。その前走は最後に内に進路を切り替えていたが、今回は意外と外に馬群が殺到せず外ラチ沿いを終始走れたことで、最後に目標をキッチリと捕らえることができた形だ。ここを目標に状態が整えられていたことも確かだが、直線1000mでこれまでにも何度となく熟練の技を見せてきた西田騎手の見事な騎乗が勝利を引き寄せたと言える。

ラインミーティア

抜け出したフィドゥーシア(黄帽)をゴール前で捉えたラインミーティア(桃帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着フィドゥーシアは、スタートを決めて思い通りの逃げが打てていたし、後続を振り切った時点では勝負を決めたかと思われたが、敢えて敗因を探すとすれば、道中で少しタメが足りなかったか。前走でコンマ3秒差を付けた勝ち馬が4キロの斤量増だったことを考えても、机上の計算では逆転はなかったはずだが、これもまた競馬なのだろう。

 3着レジーナフォルテは、2着馬に突き放されてからも渋太くその差をキープしていた。まだまだこれからの馬であり、直線1000mでどうこうの馬でもないだけに、先々のスプリント路線で注目したい。

 4着アクティブミノルは、大外枠から抜群のスタートを決めて2着馬とともにレースを先導したが、ブリンカーの効果があるとはいえもう少しリラックスした走りが望まれる。気性面でもうワンランクの成長が必要かもしれない。

 5着アースエンジェルは、内枠からうまく外へ持ち出して最後もよく差を詰めていた。格上挑戦だったが、過去3勝の実績が示す通りのコース適性は見せた。

 ネロは、58キロの斤量もあったが、それ以上に半年ぶりで息ができていなかったことが全てだろう。次は大きく変わって不思議ない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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