遅咲きの桜が夏の北都で満開に サクラアンプルールが重賞初V

佐藤直文 レース回顧
札幌記念
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完璧なレース運びで サクラアンプルール

 戦前の予想通りにロードヴァンドールがハナを奪ったが、中盤で息を入れたことで、1000m通過は60秒7というスローペースになった。この流れを好位で追走していた人気のエアスピネルヤマカツエースが、勝負どころから進出して直線を向いた時には、人気2頭のマッチレースになるかとも思えたのだが…。

 サクラアンプルールは、序盤は中団の内で脚を溜める形だったが、勝負どころで巧く外へ持ち出されて、ヤマカツを追うようにして進出。直線ではその勢いのままに一気に先行グループを交わして抜け出し、最後は2着馬の強襲にヒヤリとさせられたものの、完璧なレース運びであった。思えば、GI馬が4頭揃うハイレベルだった春の中山記念で、その4頭全てに先着して2着と好走した馬。GI馬不在のメンバーにあっては、重賞未勝利であっても驚けない走りだったと言えよう。

 2着ナリタハリケーンには、正直驚かされた。ダートを中心に使われ続けてきた馬で、2走前の巴賞が久々の芝使いでも悪くない内容だったとはいえ、8歳という年齢を考えれば予測できない走りだった。これまた道中はインでロスなく脚が溜まっていたが、洋芝適性が相当高いのだろう。

 3着ヤマカツエースは、今日の流れで早目に動いたこと自体は間違いではないし、久々の分はあったとしても物足りなさの残る内容。コーナー4回の2000mはベストの条件とはいえ、このレースでは過去2回も4・5着と敗れているあたり、洋芝の適性が一息なのではないか。

 4着サウンズオブアースにも同じことが言えそうだ。有馬記念2着の実績が示すように小回りコースには対応できる馬だが、初めての洋芝で本来のキレ味が削がれてしまった印象を受けた。

 5着エアスピネルは、絶好のポジションで運びながら、結局のところ逃げたロードをクビ差だけしか交わせなかったあたり、これまた物足りない内容だ。続けてマイル戦を使われてきた影響もあったのだろうが、やはり2000mは少し長く、コーナー4回のコース自体も合っていないのではないだろうか。

 モレイラ騎乗で人気になっていたマウントロブソンは、立ち遅れたことで理想的なポジションが取れなかった。最後はそれなりの脚を使っていたものの、いくら“マジックマン”でもあの位置からは持ってくるのは無理である。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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