再び好騎乗! いぶし銀ジョッキー秋山が、タツゴウゲキを夏の王者へ導く

佐藤直文 レース回顧
新潟記念
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早目進出で持ち味発揮 タツゴウゲキ

 ここまで、この夏の新潟外回りで行われた重賞は、関屋記念も新潟2歳Sも前残りの決着だった。もちろんスローペースの恩恵もあったろうが、一瞬のキレ味よりもスピードの持続力が要求される馬場状態であったことも確かだろう。実際に、追い込み決着だった昨年のこのレースは、前半1000m58秒5のラップで決着タイムが1分57秒5であったが、今年は59秒0のラップで1分57秒9だから、真逆の結果になるほど遅いペースだったわけでもない。上位馬の好走は、持っている脚質以上に、そういう馬場状態を見抜いて立ち回ったジョッキーの判断がもたらしたものと言える。

 タツゴウゲキは、今の馬場ではけっして有利とは思えない1番枠から、抜群のスタートを切っての2番手追走。道中はちょうど内の荒れた箇所のギリギリのところを走り、直線では後続を待たずに早目にスパートして、馬場のいい外目に巧く持ち出し、スピードの持続力を最大限に生かし切った。前走の小倉記念でも急遽の代打騎乗とは思えぬ秋山騎手の好騎乗が光ったが、その一度の騎乗で馬の特性を見抜いたばかりか、小倉とは全く異質な新潟外回りコースでも持ち味を引き出した見事な騎乗は賞賛に値する。もちろん使われながら調教内容も強化されてきた馬の充実ぶりがあってこそであり、一線級との戦いとなる秋も注目したい。

タツゴウゲキ

タツゴウゲキ(白帽)が今年のサマー2000王者に(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アストラエンブレムは、道中は前を見ながらいつでも動ける絶好位で運び、仕掛けのタイミングもドンピシャ。これまた、これ以上はないと思えるデムーロ騎手の完璧な騎乗だったが、最後の最後で勢いが鈍ったあたりは、いまだ2000m以上の重賞勝ち馬を輩出していないダイワメジャー産駒ゆえか。ただ、レースをこなしていけば、この馬に関しては2000mまでは守備範囲だと思える。

 3着カフジプリンスも、これまでのレースぶりとは一転した先行策で中谷騎手が巧く乗っていた。ただ、直線を向いての勝負どころで反応が悪くなり、マークしていた馬にスッと離されて後退したあたりが、いつものこの馬らしいところ。最後によく盛り返していただけに、この課題がクリアできれば重賞にも手が届いていい馬だ。

 4着ウインガナドルは、大外枠から果敢にハナを奪い、道中も自分のペースで運べていた。直線を向いて早目に勝ち馬に交わされたが、最後まで渋太く粘れたことは今後に繋がるだろう。

 5着フルーキーは、自分の競馬に徹して、直線でも巧く内をすくって脚を伸ばしたが、前述したように今の馬場では平均ペースでも追い込みは至難の業だった。

 マイネルフロストは、この馬としては控え気味の追走で、いつも通りの先行策なら掲示板はあっただろう。トーセンバジルは、後方から直線で大外へ、という形では最速の33秒7で上がっても届かなくて当然だった。ただ、久々の分もあったろうし、使える脚の持続力という点で新潟外回り自体も合わない印象を受けた。ルミナスウォリアーは、道中の位置取りが悪かったとはいえ、昨年ほどの脚を使えていないし、やはりキレ味勝負では足りないか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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