新種牡馬旋風に待った ディープ娘プリモシーンが桜へ名乗り

佐藤直文 レース回顧
フェアリーS

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自在性獲得で益々楽しみ プリモシーン

 例年のように条件馬が出走馬の大半を占めることもあって、この時期のマイル重賞となった2009年以降の過去9回で単勝二桁人気の馬が7連対、しかも最近5年連続で連対中という波乱度の高いレース。今年もまた、出走全馬が1勝馬というメンバー構成だったが、将来性のある馬も多く、けっして低いレベルではなかったように思う。

 プリモシーンは、スタートをソロッと出して中団馬群の後ろで巧く折り合い、勝負どころから徐々にポジションを上げて4角では射程圏に。一緒に外から進出した2着馬が一旦は前に出るシーンもあったが、決め手の差で最後に突き放した形だ。気持ちのコントロールが鍵と見られていた馬だが、思いのほか自在に動けたことで、この先も益々楽しみになったと言える。

プリモシーン

プリモシーン(橙帽)が最後は2着馬以下を突き放して優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着スカーレットカラーは、出負けしたことで後方から運ぶ形となったが、勝ち馬の仕掛けに合わせて大外から進出し、一旦はそのまま突き抜けるかの勢いだった。先に動いたことと大外を回るロスもあって最後は伸び負けしたが、これまた非凡な瞬発力は見せており、何より賞金を加算できた点で収穫の大きい一戦となったように思う。

 3着レッドベルローズは、スタートダッシュが一息で、道中も気難しさを見せながらの追走だったが、1・2着馬の後を追うように進出してなかなかの伸び脚を見せた。キャリア1戦での競馬を考えれば、能力を存分に示す3着であり、気性面での課題がクリアできれば、クラシック戦線に乗ってくることも十分可能だろう。

 4着ハトホルは、道中は後方のインで脚を溜め、直線で外へ持ち出して猛追したもの。新馬勝ちこそ1400m戦だったが、もっと距離が延びて良さを発揮する馬かもしれない。

 5着トロワゼトワルは、出遅れは仕方ないにしろ、勝負どころでもポジションを上げられなかったもの。それでも上がり3ハロンは最速を計時して能力は示しており、自己条件に戻ればアッサリのクチだ。

 テトラドラクマは、上位を外目の枠の馬が占めたように、けっして大外枠が応えたのではなく自分の競馬ができなかったのが最大の敗因だろう。さほど速いペースでもなかっただけに、もっと強気に前へ行く競馬をしていれば、結果も違ったように思える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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