この距離では決定的な着差 強かったファインニードルがGI獲りへ

佐藤直文 レース回顧
シルクロードS

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好枠から絶好の立ち回りで ファインニードル

 京都の芝は良発表とはいえ少し時計のかかる馬場状態ではあったが、前半34秒0という緩いペースながら後半も34秒3という上がりのかかる決着。前で立ち回った馬に有利な流れだった。

 ファインニードルは、4か月ぶりでプラス18キロの馬体だったが、少し立派かなと思える程度で力を出せる仕上りだったように思う。最内枠を利して好位のインをロスなく運べたことも良かったが、この距離では決定的と言える2馬身差の勝利には、一言、強かったと言うしかない。ただ、少し重目の体で久々を好走した後の反動は気になるところで、目標の高松宮記念へ向けては、うまくケアできるかが鍵となるだろう。

ファインニードル

ラチ沿い追走から直線抜け出したファインニードル(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着セイウンコウセイは、58キロのトップハンデを背負いながらもとにかく行き切ったことが好走の因。今日のところはペースにも恵まれたことは確かだが、ようやく本来の姿に近づいてきたか。

 3着フミノムーンは、最後方に近い位置での追走だったが、道中はロスを抑えて直線でうまく外へ持ち出せていた。流れを考えても価値のある内容だったが、この競馬がいつもうまく行くとは限らないのは、戦績が示す通りの馬ではある。

 4着カラクレナイは、初の1200mのペースでも少し行きたがる素振りを見せており、直線でもジリジリとしか脚を伸ばせなかった。とにかく折り合いが鍵となる馬だけに、その心配が要らない1200mは合うかとも思えたのだが、やはり距離不足と見るべきか。

 5着ナックビーナスは、好発から自分のポジションで運べていたが、外枠からの先行馬には厳しい馬場状態だったものであり、2着との着差を考えても、そう評価を落とす内容ではなかった。

 鞍上込みで人気を集めたアレスバローズは、内でモマれて競馬にならず、重賞での経験値の差が出てしまったか。ダイアナヘイローは、理想のポジションで運べていたのに、これだけ失速するとは。ちょっと敗因がわからないが、前走のスプリンターズSもそうだったように、自分で競馬をやめるところがあるのかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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