マイルに戻って牡馬を完封 前途洋々リスグラシュー

佐藤直文 レース回顧
東京新聞杯
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改めて示した距離適性 リスグラシュー

 GI馬が3頭ラインナップする豪華メンバーとなったが、その3頭が上位4番人気以内に入らないほど、近年稀に見るハイレベルの組み合わせとなった。そんな中で注目すべきデータは、TM座談会でも述べたように、2014年のホエールキャプチャ、2016年のスマートレイアーと牝馬が出走機会2連勝中だったことだ。しかも、その2頭の共通項は、前走がエリザベス女王杯でGI連対と重賞勝ちの実績を持っていた点で、今回もまた、それに合致する馬が勝ったことになる。

 そのリスグラシュー。とにかく乗り過ぎているかと思えたほどの気合で、3コーナーを過ぎてからは遅いペースに掛かりそうになるのを鞍上が馬群で宥めながらの追走だったが、直線を向いて進路が見つかると一気に抜け出したもの。改めて1600mの適性を示したとともに、これまでにはない馬群の中で競馬ができたことも大きな収穫だった。成長力に富むハーツクライ産駒でもあり、前途洋々と言える勝利だろう。

リスグラシュー

馬群を割って抜け出したリスグラシューが快勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サトノアレスは、出遅れて4コーナーではシンガリのポジション。前半1000m通過が60秒0のスローペースを考えれば普通なら届かない位置取りだったが、鞍上が腹をくくってのイン狙いを選択したのが功を奏した形。ただ、いつもこう巧く行くとは思えないし、今なら距離も1800mくらいがベストかもしれない。

 3着ダイワキャグニーは、枠なりに外目を回る形となったものの、理想的なポジションで運べていた。ただ、分の悪いスローの瞬発力勝負になったこともあるが、追われての反応が一息だった印象。この馬もまた1600mは微妙に短いかもしれない。

 4着デンコウアンジュは、後方とはいえいつもよりは前目の位置で運び、直線でも馬群を割ってよく差を詰めていた。実績が示す通り、東京マイルはベストの舞台と言えるだろう。

 5着ディバインコードは、好位のインをロスなく立ち回って渋太く粘り込んだもの。今日のメンバーでこれだけ走れば上等の部類だ。

 クルーガーは、マイナス12キロの馬体は良く見えたが、勝負どころでの反応が一息。手先の重さがまだ解消されていない印象を受けた。グレーターロンドンは、デキは間違いなく良かったのだが、馬の行く気に任せて先行したのが敗因の全てだろう。やはり、脚を溜めないと持ち味を生かすことができない馬であり、この一戦で陣営もそれを悟ったのではないだろうか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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