鞍上が思い描いた通りのレースで ミッキーロケット待望のタイトル奪取

佐藤直文 レース回顧
宝塚記念

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直線向いてインから発射 ミッキーロケット

 印を打った金曜朝の時点でも、正直言って当日の馬場の読みは難しかったが、基本的には内有利、先行有利の馬場で、少々渋ってもその傾向は変わらないだろうという想定通りの馬場状態になった。5頭のGIホースがいずれも今年未勝利という珍しい状況下で、実績よりも、あくまでも今の馬場の適性を考えて打った◎が、しっかりと期待に応えてくれた一戦だった。

 そのミッキーロケット。稍重発表の馬場で1000m59秒4のペースは平均以上の流れだったが、道中は枠なりに好位のインをロスなく運び、勝負どころから早目に動いて4角先頭という積極策。直線で一気にリードを広げると、2着馬の猛追を凌いで待望のGI初制覇を成し遂げた。エンジンがかかってからは確実にいい脚を使うものの、これまでは勝負どころでズブさを見せる面があった馬だが、そのあたりが解消されての本格化と言えるだろう。前述したように少し時計のかかる馬場への適性に加え、距離もコースもピッタリで、そして何より、この馬を知り尽くしている鞍上が思い描いた通りのレースができたことで、ビッグタイトルを手中にできたように思う。

ミッキーロケット

内目から抜け出したミッキーロケット(奥)が初GI制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ワーザーは、追い切り後の計量から更に減ったマイナス27キロの446キロ。香港移籍後の最低体重が468キロであり、さすがに見た目にも細く映ったが、直線で大外からただ一頭だけモノ凄い脚で伸びてきたのには驚かされた。けっして万全とはいえない状態で、これだけの走りを見せたのだから、想像以上に強かったということ。もう少し馬場の回復が遅れていれば、あるいは差し切っていたかもしれない。

 3着ノーブルマーズは、中団のインをロスなく運び、勝ち馬が抜けた後を通って伸びた形。前走時のレース回顧でも“何らフロックとは言えない”と書いたが、この馬も相当力を付けてきている。

 4着ヴィブロスは、中団から外を回って脚を伸ばしたが、更に外から来た2着馬には全く抵抗できなかった。ただ、2200mという距離は、この馬にとっては微妙に長いのだろう。

 5着ダンビュライトは、もう少し前で運びたかったはず。プラス12キロの馬体は回復したもので太目感はなかったが、この馬も本質的には2000mまでの感を受ける。

 サトノダイヤモンドは、外を回って早目に動いて直線を向いたあたりでは完全復活か、と思わせたが、突き抜けるどころか最後は止まってしまったもの。ただ、負け方としては前走よりも大分マシであり、秋の復活へ望みを繋ぐレースぶりだったように思う。対照的に、キセキはパドックからいい頃の覇気が感じられなかった。こちらは少し時間がかかるのではないか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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