2着馬がレース支配も 陣営の思いが結実したリスグラシュー

佐藤直文 レース回顧
エリザベス女王杯
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鞍上とともに遂に掴んだGIタイトル リスグラシュー

 主導権を奪ったクロコスミアが刻んだ1000m通過61秒4のラップは、3着から14着までがコンマ5秒差で入線した結果を考えても明らかなスローペースであった。ただ、このまま直線を向くまで後続を引き付けていれば究極の瞬発力勝負になっただろうが、残り800m地点からペースを上げて後続を引き離す形は、まさにお手本のような絶妙の逃げだった。1頭だけ強い馬がいたわけだが、レースを支配したのは紛れもなくクロコスミア&岩田康騎手だったと言える。

 リスグラシューは、前半の緩いペースもあってか、いつもよりは前目のポジションで流れに乗る形。直線を向いたところでは、まだ前とはかなりの差があったが、一頭だけ次元の違う伸びを見せ、逃げ切り態勢だった2着馬をクビ差捉えたところがゴールだった。悲願のGIタイトルは、パーフェクトな騎乗で導いたモレイラ騎手の腕ももちろんのこと、ここを照準に文句なしの状態に仕上げた陣営の思いが結実したもの。懸念された距離も、短いと届かなかったこれまでの走りを考えても、むしろこのくらいが合っていたと思える。欠けていた運を得たことで、今後もタイトルの上積みが期待できる馬だろう。

リスグラシュー

逃げ込みを図る2着馬を捉えたリスグラシュー(緑帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着クロコスミアは、昨年は2番手から粘り込んでの2着だったが、今回は前述したように完璧にレースをコントロールした逃げで、走破タイムも昨年を1秒以上も上回ったのだから、成長も十分に示したと言える。

 3着モズカッチャンは、好位で立ち回る昨年同様の競馬だったが、逃げた馬のペースアップに対応できなかったあたり、自身の状態も昨年のレベルになかったと言えるだろう。

 4着レッドジェノヴァは、勝ち馬と同じような位置取りで、直線でもロスなく馬群を捌けていたが、今日の結果は現状での力の差か。ただ、距離はもっと長い方がいいタイプだろう。

 5着ノームコアは、枠なりに外を回って好位で運んだが、この形ではタメが利かず、外枠がアダとなったか。同じ外枠ながら外からうまく内に入れて脚をタメた前走とは対照的なレースになってしまった。

 カンタービレは、本来の自分の形の競馬ができてのこの結果は、やはり距離の壁と見るべきだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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