2億5千万の高馬が本領発揮 ダノンチェイサーが勇躍クラシックへ

佐藤直文 レース回顧
きさらぎ賞

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捉えて突き放して快勝 ダノンチェイサー

 直前に降り出した雨の影響もあったかと思われるが、前半1000mは61秒2のゆったりとした流れで、しかも離し逃げの展開だったことを考えれば、後続はかなりのスローペース。キレ味を削がれる馬場もあって、前々で運んだ馬に有利な競馬となった。

 ダノンチェイサーは、陣営も不安視していた折り合いに全く問題がなく、途中から離して行った逃げ馬のペースにも惑わされずに、直線を向くまでしっかりと脚を溜めていた。そんな鞍上も巧かったと言えるが、前を捉えて後続を突き放した脚は、さすが2億5千万円の高馬と言えるもの。クラシック戦線にまた一頭、楽しみな馬が名乗りを上げた形だ。

ダノンチェイサー

3番人気ダノンチェイサーが2馬身差の勝利(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着タガノディアマンテは、出遅れて一時は離れた最後方だったが、今日のペースであの位置からよくここまで追い上げたもの。オルフェーヴル産駒らしい型破りのタイプで、いずれ大化けするかもしれない。

 3着ランスオブプラーナは、これだけのマイペースで運べたことが全てと言っていいが、一気の距離延長にも対応できたセンスは評価に値する。

 4着ヴァンドギャルドは、レース中盤に持って行かれ気味になり、ラストの伸びも一息。渋った馬場の影響もあったかもしれないが、プラス6キロの馬体もちょっと重かったか。

 アガラスも、プラス12キロの太目残りが響いた印象。出遅れた上に道中で折り合いを欠いては競馬にならなかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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