インディとタワーで大丈夫？ 要注目は「巻き返し」を狙う馬

ここも有力４歳勢　本紙武井はインディチャンプを◎に指名

デスク「先週の重賞の結果を考えても、路線を問わずに４歳馬を買っておけば大丈夫、という感を受けるけど、ここも４歳勢が人気を分けそうな様相だな」

武井「中でも◎はインディチャンプとしました。３歳春にも重賞戦線に顔を覗かせていた馬ですが、毎日杯では折り合い重視で運んだことで頭を上げるシーンがあり、アーリントンＣも先に抜け出してから内ラチにまでモタれてしまったように、高い能力を示すと同時に気性面の危うさを見せたレースぶりでした。ただ、その後に無理をせず、条件戦から再出発したのが奏功し、一戦ごとに着実な成長を見せています。前走なども、鞍上の意のままに動いての完勝でしたし、今なら重賞でも勝機十分と判断しました」

佐藤直「大事に使われてきた分、軌道に乗ればトントン、というタイプだろうな。スローな流れを、後方から直線だけで勝負を決めて、なおかつ３馬身もの差を付けた前走は、まさに本格化の証と見ていいぞ」

守屋「３着だった毎日杯にしても、勝ち馬が有馬記念勝ちのブラストワンピースで、２着馬がＮＨＫマイルＣ２着と中日新聞杯勝ちのギベオンですからね。今考えると、相当ハイレベルな一戦だと言えますし、◎はアーリントンＣの勝ち馬に譲りましたが、能力的には甲乙つけ難いと思いますよ」

瀬古「その毎日杯のみならず、インディチャンプがこれまで先着を許した馬は、重賞で好走している馬ばかりなんですよ。前走にしても、抜け出してからソラを使うシーンもあり、余力を残して奥の深さを感じさせる勝ち方でしたからね。“福永騎手と手が合うようだし、続けて乗ってもらって癖を掴んでくれているのも大きい。好メンバーだけど、この馬も成長しているので、どんなレースができるのか期待したい”と、音無師も楽しみな様子でしたよ」

条件戦を強い内容で連勝してきたインディチャンプ（撮影：日刊ゲンダイ）

守屋「その能力を認めつつ、僕はタワーオブロンドンを◎としたわけですが、アーリントンＣは、５着ダノンスマッシュが先週のシルクロードＳを勝ち、２着パクスアメリカーナは京都金杯勝ち。朝日杯ＦＳでクビ差の２着馬ステルヴィオは昨年のマイルＣＳ勝ちと、とにかく戦ってきたメンバーが強力ですからね。前走のキャピタルＳは勝ったグァンチャーレが道中ずっと内々でロスのない競馬をしていて、こちらは４角で真ん中から外寄りを走っていた分だけ届かなかったと見ていいでしょう。藤沢和厩舎らしく、昨年の暮れから１ヶ月以上かけてジックリ乗り込まれ、仕上りも万全に映ります」

大江原「スタートで躓いて直線でも他馬に寄られる不利の重なったＮＨＫマイルＣは、参考外と見ていいし、前走にしても半年ぶりの復帰戦だったことを思えば、いい形で再出発ができたと言えるよな」

小野智「タワーオブロンドンは、以前から追い切り後にルメール騎手が“引っ掛かるのが心配”と言いながら、レースではしっかりと我慢させて結果を出してきた馬ですからね。そんな癖を知る鞍上に手が戻るんですから、軸としての信頼度は高いと思います」

馬場「陣営も、前走については“上手くタメを利かせられていて、折り合いに進境が見えたことが収穫だった”とのことでした。状態面に関しても“調教でも力強い動きを披露してくれているし、前走時より良いくらい”なのなら、勝機十分と見ていいはずです」

久光「僕は東京マイルで２戦２勝のロジクライに期待します。２走前の富士Ｓでは、速い流れを番手から抜け出して後続に２馬身差の大楽勝でしたが、今回も行きたい馬を行かせてスムーズに運べそうですし、当時よりも密に乗り込まれて体調自体も万全でしょう。前々で運べるこの馬が４歳勢のキレ味を封じると見ます」

西田「思わぬ大敗となった前走のマイルＣＳは、序盤から力んで走ってしまったもので、それでいてコンマ６秒差と、着順ほど大きく負けていませんからね。ＧI馬も含む好メンバーだった富士Ｓの内容は評価できますし、同じ舞台なら巻き返しがあっていいはずです」

那谷「前走については須貝尚師も“行きたがるのを抑えた鞍上と喧嘩してしまい、馬に嫌気が差してしまった”と力負けでないことを強調していたよ。この中間は横山典騎手が栗東に駆け付けて坂路で５０秒台の好時計もマークしていて、“首差しの筋肉が付いてさらにパワーアップしている”とのことなら、久々でも全く割り引く必要ないよな。左回りは走りもスムーズで、実績からもサウスポーの可能性があるし、本来の立ち回りの巧さを生かすことができれば勝ち負けになるはずだぞ」