「とんでもない」ゴールドシップ産駒ワンツー 証明した遺伝力

佐藤直文 レース回顧
札幌2歳S

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父譲りの豪快な末脚で 前を呑み込んだブラックホール

 レース序盤こそゆったりとしたペースであったが、途中から動いて行く馬もいて、前の組には厳しい流れ。ただ、展開が向いたとはいえ、上位2頭の破壊力のある末脚には見応えがあった。このレースでは2着に敗れた父ゴールドシップにとって、自身を彷彿とさせる走りを見せてワンツーを決めた産駒は、とんでもない孝行息子たちだろう。

 ブラックホールは、後方から運んで先に動いた馬たちよりもワンテンポ仕掛けを遅らせる形で4コーナーでは大外に。小柄な馬であるが、父譲りの勝負根性を見せて、豪快に突き抜けて見せた。直前の本馬場追いで7F72秒8の猛調教を消化した上で、今日のようなタフな馬場でも力を出し切れるのは並みの馬ではないことの証明であり、先々も楽しみと言える。

 2着サトノゴールドは、序盤は離れたシンガリ、4コーナーでも最後方の位置取りだったが、展開も向いたとはいえ、あれだけの脚を使うのは能力なしではできない芸当。勝ち馬同様に、これまた今後が楽しみな馬である。

 3着ダーリントンホールは、前が詰まり気味で勝負どころでも動けなかったところで、外からドンドン来られてポジションを落としてしまった。ただ、今日のところはキャリア不足の分であり、最後は盛り返してきたあたり、能力評価は落とせないだろう。

 4着レザネフォールは、勝ち馬と同じような位置取りだったが、勝負どころで少し窮屈になるシーンもあった。成長次第ではあるが、いずれは重賞戦線でもやれる馬だ。

 5着ヨハネスボーイは、早目に動いて勝ちに行く競馬で、展開的にも厳しかった中でよく頑張っていた。中央に移籍してきても、それなりの活躍ができるだろう。

 ゴルコンダは、出負けを追い上げて一旦は先頭に立つ形だったが、結果的には早仕掛けで伸びを欠いたもの。圧巻のレコード勝ちだった前走とは馬場も違ってはいたが、速い時計で走り過ぎての反動も少なからずあっただろうか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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