3着武豊インティにも「それなりの成果」 上位馬は本番でも…

佐藤直文 レース回顧
東海S

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モマれずに砂を被らずに運べたら こんなに強かったエアアルマス

 同じ舞台で行われた昨秋のみやこSと同様に、熾烈なハナ争いも予想されたが、行くと見られていたインティが控える形に。戦前に陣営から“逃げ宣言”も出ていたが、これは枠順確定前の話であり、枠の並びを見ての賢明な作戦だったと思える。結果として、前半1000m61秒7のラップは、脚抜きの良い馬場を考えても遅めの流れで、後方待機組には出番のないレースであったが、おそらくフェブラリーSに向かうと思われる上位3頭については、レベルの高い走りを見せたものであり、これは本番でも有力視していいだろう。

 エアアルマスは、ダートで初めて土が付いた前走の武蔵野Sが、モマれて砂を被って走る気を失くしたこともあり、理想としていた好位外目のポジションが取れたことが最大の勝因だろう。特に、今日のペースでは無理することなく追走することができ、持ったままで4コーナーで先頭に立つと、着差以上に余裕の手応えで後続の追撃を凌ぎ切る完勝であった。フェブラリーSはその惨敗した2走前と同じ舞台ではあるが、今日のようなレース運びができて能力を出し切れるようなら、本当に楽しみである。

エアアルマス

2番人気エアアルマス(青帽)が初重賞のタイトルを獲得(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ヴェンジェンスは、仕掛けると行きたがるところがある馬だが、今日のペースではいつもよりも前の位置で追走することができて、持ち味のロングスパートを利かせることができた。勝負どころから目標とした3着馬はキッチリと交わしたのだから、十分に力は示したと言える。

 3着インティは、前述したように控える形の競馬に対応できたことに加え、本番に向けて他の陣営へ“こういう競馬もできるのだ”ということをアピールしたという意味では、それなりの成果があったように思う。ただ、一つ言えることは、やはり逃げた方がいいということ。今日は斤量差の分もあっただろうが、自分のリズムで走ってこその馬だろう。

 4着アングライフェンは、不向きな流れだったとはいえ、3着から3馬身差は現状での力の差だろう。

 5着キングズガードも、みやこSのような流れになっていれば、と言ったところだが、自身の脚は使っており、年齢的な衰えは見せなかった。

 スマハマは、突つかれ気味だったとはいえ、この馬としては楽なペースで逃げることができたはずであり、ここまで大失速するとは体調面に問題があったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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