【宝塚記念回顧】“クビ差の完勝”イクイノックス 4着ジェラルディーナは「理解できる奇策」

佐藤直文 レース回顧
宝塚記念

ジャパンカップ・京阪杯・京都2歳S 予想提供中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

これが世界規格の強さ イクイノックスが大外から力で捻じ伏せる

 中間の降雨の影響もあったか、良馬場でも少し時計のかかる状態での前半1000m58秒9は、やや速めのラップ。実際に先行勢が壊滅の流れで後方待機組に展開は向いたとはいえ、勝ち馬の強さはやはり別格だったと言わざるを得ない。

 そのイクイノックス。スタート後にポジションを取りに行きかけたものの馬場の緩い内で包まれるのを嫌ってか後方に下げての競馬となったが、落ち着いて自分のリズムでの追走。3コーナーからは大外を回って進出する形で、4コーナーでもタイトな内回りで大きく外へ膨れ加減だったが、力で捻じ伏せるように先頭に立つと、ゴール前こそ内から2着馬の強襲に遭ったとはいえ、着差以上の力の違いを見せての完勝だった。初の関西圏での競馬で、長距離輸送のリスクを避ける意味での早目の栗東入りを選択した陣営の思惑通りに、隙のない仕上げ。どういう競馬になっても、リラックスして走ることができれば世界規格の強さを示すことができることを、改めて証明したと言える。

イクイノックス

単勝1.3倍の支持を受けたイクイノックスが、力の違いを見せてのGI4連勝

 2着スルーセブンシーズは、道中は勝ち馬を前に見る形で運んだが、直線で一旦は進路を失いながらも内に進路を切り替えて鋭く伸びたもの。これまた栗東に滞在しての好仕上りに加え、展開も向いたとはいえ、この先まだまだ強くなりそうな感を受けた。

 3着ジャスティンパレスは、長距離戦を使われてきたこともあってか、自分のポジションで運ぶことができなかったが、最後はよく差を詰めて天皇賞馬としての貫禄は示した。

 4着ジェラルディーナは、3コーナー手前から一気に動いて直線を向く競馬で、結果的にはもう少し溜めていれば、という印象を受けた。ただ、勝ち馬と一緒に動く形では敵わないという意味では奇策もまたアリだったか。

 5着ディープボンドは、3着馬同様に良馬場2200mの速い流れで自分の競馬ができなかったが、直線で渋太く粘って力は示した。

 アスクビクターモアは、前の組には厳しい流れだったとはいえ、ここまで大きく崩れたのは昨秋の状態になかったと見るべきであり、ここ2走の敗因も馬場などの影響ではないと判断できる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

ジャパンカップ・京阪杯・京都2歳S 予想提供中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

ジャパンカップ・京阪杯・京都2歳S 予想提供中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

有馬記念特集

2024年有馬記念特集

有馬記念の結果、動画、出走馬一覧、単勝オッズ、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、歴史などを紹介する特集ページです。出走馬一覧には、単勝オッズやデータを合わせて掲載。

  • 予想オッズ
  • 想定騎手
  • 有馬戦績
  • 優勝馬名
  • 優勝騎手名
  • レース動画

優馬 2歳馬チェック

優馬 2歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週月曜か火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。