【NHKマイルC回顧】頂上決戦は進路取りで“明暗” 能力差なかった2着アスコリピチェーノ

佐藤直文 レース回顧
NHKマイルカップ

ジャパンカップ・京阪杯・京都2歳S 予想提供中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

軍配は2歳牡馬チャンピオンに ジャンタルマンタルが世代マイルの頂点へ

 レース史上初めて、牡馬と牝馬の2歳チャンピオンが揃い踏んで文字通り世代マイルの頂上決戦となったが、勝ち馬とそれをマークするかのように好位で運んだ2着馬は、4コーナーまではマッチレースの攻防だった。ただ、勝負の明暗を分けたのは直線を向いてからのコース選択。終始外目を回ったことで前がクリアだった勝ち馬とは対照的に、2着馬は前が壁となって狭い内へ進路を選択せざるを得なかった。結果2馬身半の差こそ付いたが、明らかに能力の差ではなかったと言えるだろう。

 ジャンタルマンタルは、プラス2キロの馬体で、レコード決着の皐月賞から中2週でも疲れを微塵も感じさせない好気配。好位外目を余裕の手応えで追走し、直線で先頭に並びかけたところでもまだ手綱は持ったままで、追い出されて後続を一気に突き放しての完勝だった。負けて強しの皐月賞で“マイルなら一番強い”という手応えを掴んだ川田騎手の、自信に満ち溢れた騎乗ぶり。上の世代との戦いとなる秋も相当な楽しみが持てる。

ジャンタルマンタル

川田騎手自信満々の騎乗に導かれたジャンタルマンタルが2つ目のGIタイトルを獲得

 2着アスコリピチェーノは、前述したように4コーナーまでは勝ち馬をマークしての完璧な運びだったが、直線で内をついて他馬と接触し、ガクンと躓く致命的な不利。並みの馬ならそこで終わっていても不思議はなかったが、エンジンを再点火して2着に浮上したのは能力なくしてはできない芸当だった。上位2頭の力が抜けていたのは間違いなく、スムーズだったらあるいは、のシーンもあっただろう。

 3着ロジリオンは、道中は人気2頭を前に見る形で追走し、直線では勝ち馬が抜けた後を追って脚を伸ばしたもの。最後は2着馬に交わされたが、これは距離の問題ではなく、1400mよりもマイルに適性があるのは確かだろう。

 4着ゴンバデカーブースは、当初予定していた皐月賞に間に合わず、とても万全とは言えない臨戦態勢だったが、それでここまで来るのは能力の証。いずれはビッグタイトルも取れる器だろう。

 ボンドガールは、少し掛かり気味でハナに立つシーンもあったが、インの3番手に収まってからはスムーズな追走だった。直線でも最内に進路を選択し、抜けてきそうな手応えはあったが、外から押圧されて万事休す。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

ジャパンカップ・京阪杯・京都2歳S 予想提供中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

ジャパンカップ・京阪杯・京都2歳S 予想提供中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

有馬記念特集

2024年有馬記念特集

有馬記念の結果、動画、出走馬一覧、単勝オッズ、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、歴史などを紹介する特集ページです。出走馬一覧には、単勝オッズやデータを合わせて掲載。

  • 予想オッズ
  • 想定騎手
  • 有馬戦績
  • 優勝馬名
  • 優勝騎手名
  • レース動画

優馬 2歳馬チェック

優馬 2歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週月曜か火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。