２歳女王とシンザン記念好走馬　データ班の◎はどっち？

　牝馬クラシックの第一弾、桜花賞。前哨戦を快勝した２歳女王ラッキーライラックが連勝を更に伸ばすのか、それともニューヒロインの誕生はあるか？　データが導き出した結論は…。

中心はチューリップ賞組

　今年からトライアルの１つ、チューリップ賞がＧIIに昇格したが、大きく傾向が変化することはなさそう。まずはステップ別の成績を見ていこう。

前走レース別成績（過去10年）
チューリップ賞〔７.４.６.27〕
フィリーズＲ〔２.０.２.52〕
エルフィンＳ〔１.１.０.２〕
クイーンＣ〔０.３.０.14〕
フラワーＣ〔０.１.１.10〕
アネモネＳ〔０.０.１.23〕

　昨年こそ１着馬はフィリーズレビュー組だったが、２～３着馬はチューリップ賞組。やはり本番と同じ阪神芝1600ｍで行われるチューリップ賞組が中心だろう。次にチューリップ賞の着順との関係に焦点を当ててみる。

チューリップ賞組の前走着順別成績（過去10年）
前走１着〔２.１.１.４〕
前走２着〔２.０.１.７〕
前走３着〔２.１.１.６〕
前走４～５着〔１.０.１.１〕
前走６～９着〔０.１.２.５〕
前走10着以下〔０.１.０.４〕

　意外にもチューリップ賞からの巻き返しが目立っている。ただし、前走４着以下からの巻き返しが叶った馬は全てＯＰ・重賞勝ちのある馬だった。出走が可能になる賞金のラインという現実問題もあるが、実績なくして好走は難しい。そして、このパターンに当てはまる馬だが、今年は不在。

　そうなると素直にチューリップ賞の上位馬を選ぶべきだろう。桜花賞と同舞台の阪神ＪＦ、チューリップ賞でともに３着以内だった馬は過去10年で〔４.１.１.５〕。チャーリップ賞で１番人気１着なら〔２.０.１.０〕。ラッキーライラックがここも中心となる。

人気でも２歳女王ラッキーライラックには逆らえない（撮影：日刊ゲンダイ）

　では、チューリップ賞で２～３着だったマウレアとリリーノーブルはどうか。マウレアに関しては桜花賞におけるディープインパクト産駒が〔４.４.１.13〕というデータがあり、実際に全姉のアユサンが桜花賞馬だ。リリーノーブルもチューリップ賞で２番人気以内〔６.４.１.５〕というデータから、相手候補には十分。

その他のステップでは…

　昨年の勝ち馬を出したフィリーズレビュー組。馬券に絡んだ４頭中３頭は前走１番人気という馬だった。例外は歴史的波乱を巻き起こした10年前のレジネッタ。それを除けばフィリーズレビューで１番人気かつ１～２着というのが好走の条件。最も近いのがフィリーズレビュー２番人気２着のアンコールプリュ。余裕があるなら紐に入れても面白い。

　出走した４頭中２頭が連対というエルフィンＳ組。この２頭の共通点は桜花賞で２番人気と上位人気に推されていたこと。2009年２着のレッドディザイアの年はブエナビスタという強敵が既存勢力の評価を押し下げており、2011年１着のマルセリーナの年は阪神ＪＦ～チューリップ賞を連勝したレーヴディソールが戦線離脱していた。今年のエルフィンＳ勝ち馬レッドサクヤは流石に上位人気に推される状況ではない。

　気になるのが２着に３頭を送り出しているクイーンＣ組。フィニフティはそのクイーンＣで２着に好走。鞍上の福永Ｊは桜花賞２勝の実績があり、近10年では〔０.０.４.５〕と連対こそないが高い好走率。しかも５、11、14、６番人気での激走である。管理する藤原英師も現在リーディングトップと好調で、勝率29.9％・連対率50.6％は驚異的。穴の気配が漂う。

逆転ならシンザン記念組！？

　ラッキーライラックを負かすなら、というテーマで名前が挙がるのがアーモンドアイだ。牡馬混合のＧIII・シンザン記念の勝ち馬である。2000年以降、シンザン記念好走馬は５頭が桜花賞に出走しているが、以下のような成績。

2001年　17着　フィールドサンデー　シンザン記念３着
2007年　１着　ダイワスカーレット　シンザン記念２着
2011年　１着　マルセリーナ　シンザン記念３着
2012年　１着　ジェンティルドンナ　シンザン記念１着
2016年　１着　ジュエラー　シンザン記念２着

　５頭中４頭が桜花賞馬になっているのは素直に驚き。2001年のフィールドサンデーは近２走で５、６着と負けており、こちらはシンザン記念２着のツヅミモンと姿が被る。アーモンドアイはシンザン記念からの直行という不安材料こそあるが、ラッキーライラックを倒して桜花賞馬に、という可能性も十分にある。

結論

◎ラッキーライラック
○アーモンドアイ
△マウレア
△リリーノーブル
△フィニフティ
△アンコールプリュ