完勝サトノダイヤモンド 牡馬クラシック戦線No.1はこの馬

佐藤直文 レース回顧
きさらぎ賞

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クラシック最右翼の座へ サトノダイヤモンド

 2度目の“5億円対決”として注目された、きさらぎ賞。前半1000mが59秒8という平均以上の流れだったこともあったが、決着タイムの1分46秒9はレース史上最速であり、極端な高速馬場でもないことを考えれば、掛け値なしの好タイムであった。

 サトノダイヤモンドは、淀みない流れを絶好の手応えで追走し、射程圏まで進出した4コーナーでも後ろを待つ余裕すらあった。直線で抜け出してから、デビュー以来初めてムチが一発入ったが、これは気を抜かせないためのものだったか。余力十分に前述した好タイムでの3馬身半差は、まさに“完勝”以外の何物でもない。過去2戦が重と稍重の馬場で、死角があるとすれば良馬場での時計勝負、と見る向きもあったが、良馬場で見せた脚は更に凄かった。リオンディーズ、ハートレー、そしてマカヒキと、今年は無傷のタレントが揃ってハイレベルの牡馬クラシック戦線だが、そんな中にあっても、現時点では№1の評価を与えたい。皐月はもちろん、ダービーも。とにかく無事で行ってほしい。

サトノダイヤモンド

サトノダイヤモンドが3馬身半差&レースレコードで完勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着レプランシュは、出負け気味のスタートだったが、テンから行く気はなく自分の競馬に徹して最後まで渋太く脚を伸ばしたもの。スタートに課題は残るが、自分の型を持っているという点で、これはこれでいいと思える。

 今回は人気でも大きく水を開けられていたロイカバードだが、道中はサトノを見る形で運んで、4コーナーでは直後の1馬身差まで詰めていた。そこからアッサリと離されたのは、現状での大きな力の差であり、序盤で掛かったことで2着も確保できなかったあたり、まだまだこれからの馬かもしれない。

 4着ノガロは、序盤で持って行かれ気味の先行となったが、直線で並ぶ間もなくサトノに交わされたあともバテておらず、最後まで脚を使っていた。自己条件に戻れば、アッサリのレベルだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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