【弥生賞回顧】タスティエーラ“満点競馬”も レベルに「?」がついた王道トライアル

佐藤直文 レース回顧
弥生賞

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確かな才能をアピールして タスティエーラ

 有力馬の回避もあって例年に比べて小粒となった感も否めないメンバー構成。2分0秒4という決着タイム自体はマズマズと言えるが、レース後半の時計を考えると、やはり例年ほどのレベルではなかった印象も受けた。

 タスティエーラは、落ち着きがあり好位でしっかりと折り合った上で、自ら勝ちに行って抜け出す満点の競馬。前走の共同通信杯から一段階の成長をアピールしての完勝だった。ただ、本来は前走で賞金を加算して本番へ、というのが青写真だったはずであり、中2週でここを使わざるを得なかったことが、本番でどう影響するか。皐月賞でも好勝負できるだけの能力は確認できたものの、今後のケアによりどこまでの状態で出走できるかが鍵となるだろう。

タスティエーラ

共同通信杯4着から中2週で挑んだタスティエーラが完勝のゴール

 2着トップナイフは、好位のインで理想的な立ち回りができたが、先に動いた勝ち馬とは反応の差が出てしまった印象。本番へは、マイナス10キロだった今回の馬体をどう維持するかも課題となるだろう。

 3着ワンダイレクトは、勝ち馬を目標に運んで4コーナー手前では先に手が動いていた相手よりも手応えでは勝っていたほど。ただ、それでいて伸び切れなかったあたり、ここまで2000mを使われ続けてきたとはいえ、距離が長い可能性もある。

 4着アームブランシュは、後方から直線で一番の伸びを見せて2着争いに加わった好内容。自己条件に戻ればアッサリまであるだろう。

 レヴォルタードは、3~4コーナーの勝負どころで鞍上の手が動いたにもかかわらず反応せず。最後は差を詰めていたが、気性面での成長が待たれる。グリューネグリーンは、道中ジックリと運んで勝負どころからマクリ気味に進出する今までにない形の競馬だったが、速い脚が使えるわけではないだけに、やはり前へ行ってこそのタイプだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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