【新潟2歳S回顧】「抜けていた」アスコリピチェーノ 9着ルージュスタニングには再三の不利

佐藤直文 レース回顧
新潟2歳S

まさに新潟外回り向き アスコリピチェーノが抜群の決め手を発揮

 前半3ハロン35秒4のラップはそこまで遅い流れではなかったが、高速馬場での1分33秒8という決着タイムを考えれば、明らかに逃げた馬のペースだったと言える。レースの上がりも34秒0で、よほどの速い上がりを使わなければ差し切れない競馬だったが、苦もなくそれだけの末脚を繰り出してみせた勝ち馬の決め手が一枚上だったか。

 アスコリピチェーノ。課題のスタートこそ一息だったが、序盤の流れが落ち着いたことで好位の外目でスムーズに折り合うことができた。直線を向いてからは逃げた2着馬を格好の目標にして残り1ハロン過ぎに先頭に立ち、着差以上に危なげのない完勝だった。デビュー戦の1400mよりもマイルの方が良かったことと、現時点での完成度や前述した決め手で抜けていたと言えよう。

アスコリピチェーノ

人気に応えたアスコリピチェーノ、北村宏司騎手は5年ぶりの重賞勝利

 2着ショウナンマヌエラは、絶妙のペース配分での逃げを打てたことは確かだが、最後まで止まっておらず、マイペースに持ち込めそうなメンバーであれば今後もマークが必要だろう。

 3着クリーンエアは、今日の流れなら2、3番手で運びたかったところだろうが、勝ち馬を目標しての直線勝負で、能力は見せた。

 4着ルクスノアは、序盤は少し力むシーンもあったが、好位の内をロスなく回って渋太く流れ込んだ形。

 エンヤラヴフェイスは、スタートを決めて一旦は逃げ馬の直後のポジションを取ったが、外から他馬に来られてからズルズルと後退。4コーナーでは馬群の最後方から盛り返したように能力は見せたが、気性面での課題がありそうだ。ルージュスタニングは、再三の不利があって全くの参考外と見ることもできるが、かなり動いていた中間の調教がオーバーワークだった可能性も捨て切れない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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