【ヴィクトリアマイル回顧】“これが競馬”という結末 「△すら打てなかった」伏兵の堂々たる勝利

佐藤直文 レース回顧
ヴィクトリアマイル

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ブービー人気の伏兵が大仕事 あっと驚くテンハッピーローズ

 一週前のNHKマイルCに引き続いて様相は2強ムード。しかしながら、2頭とも連を確保できなかった上に、掲示板に載った5頭のうち3頭までが単勝二桁人気の伏兵だった。改めて牝馬戦の難しさを認識させられる結果となった。

 テンハッピーローズは、中団の外目を手応え良く追走し、直線を向いた時点で前がクリアに開けた全くストレスのない形。こういう状況でスパッと斬れるシーンはこれまでも目にしてきたが、あくまで1400m戦でのものであり、まさか1600mでしかもGIの舞台でやってのけるとは、いやはや恐れ入った。実は、馬主さんとは長年懇意にしてきた関係で、1400mならいずれ重賞を勝てますよ、と言い続けてきた馬。重賞どころかGI、ましてマイル戦での大仕事には、△すら打てなかったことを恥じると同時に、これが競馬なのだということを改めて思い知らされた。内容的にもフロック視などできない堂々たる強さだったと言える。

テンハッピーローズ

デビュー21年目津村騎手と14番人気テンハッピーローズが、人馬ともに嬉しいGI初制覇

 2着フィアスプライドは、前に行った組が軒並み馬群に沈んだことを思えば、相当な評価を与えていい好走。好枠を利した上手な立ち回りも光ったが、メンバー最高齢だった6歳馬のワンツー決着もまた、これが競馬なのだということを思い知らされた。

 3着マスクトディーヴァは、直線で進路が塞がる大きな不利があって、進路を内に選択して猛追したものの届かなかったもの。スムーズな競馬ができていれば、という形だったが、それまでに動いて行ってポジションを確保できなかったあたりが今後の課題かもしれない。

 4着ドゥアイズは、枠なりに外を回る形で直線では他馬と接触するシーンがありながら、2着争いを演じたもの。能力は十分にアピールしたと言える。

 ウンブライルは、ある程度のポジショで運びながら今一つ弾けなかった形。今回は少し人気になり過ぎたのかもしれないが、今後に繋がる競馬はできたように思う。ナミュールは、出遅れたとはいえそれが全てだったわけではないだろう。やはり海外遠征帰りで本来の姿ではなかったと見るべきか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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