【セントウルS回顧】トウシンマカオは“別次元” 13着ピューロマジックには中京の「意外な落とし穴」も影響?

佐藤直文 レース回顧
セントウルS

ゴール前で矢のような伸び 見事に突き抜けたトウシンマカオ

 例年は開催替わりの開幕週で絶好の馬場で施行されるレースだが、今年は連続開催5週目の馬場。そのあたりを考慮しても前半3ハロンが33秒6というのは、落ち着いた流れと言えたが、先行勢同士の決着かと思われたところを差し切った勝ち馬の脚は、別次元の感を受けた。

 そのトウシンマカオ。中団で枠なりに馬群の外を回らされる形の追走となったが、十分に脚は溜まっていた。直線を向いて外からジワジワと差を詰め、残り1ハロンからは1頭だけ脚色の違う矢のような伸びで突き抜けて見せた。これまでの重賞3勝も全て外枠だったように、この馬にとってはスムーズに力を発揮しやすい枠だったとも言えるが、実績のなかった中京コースを考えても目下の充実ぶりを示すもの。多少余裕残しの仕上げだったという点でも、本番に期待の持てる走りだった。

トウシンマカオ

目の覚めるような末脚を披露したトウシンマカオが重賞4勝目をあげた

 2着ママコチャは、前に壁を作れず掛かり気味での先行だったが、牝馬で57キロを背負っていたことを考えてもGI馬の貫録は示す走りだった。

 3着モズメイメイは、荒れていたとはいえ意外と内が伸びる馬場で、最内枠から上手に立ち回って見せた。

 4着アネゴハダも、内枠を利して前々で踏ん張って見せた。GIIIならいずれチャンスは訪れそうだ。

 5着トゥラヴェスーラは、9歳馬ながら健在ぶりを示す、らしい伸び。これだけ走れば上等だろう。

 ピューロマジックは、けっして速いペースの逃げではなく、イレ込みが敗因と言える。京都や小倉では待機所からゲートまでの距離が短いのに対し、中京は少し距離があり、そのあたりも微妙に影響したかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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