【日本ダービー回顧】“ダービーポジション”から復権 「ただただ、強かった」クロワデュノール

人馬一体での完勝劇　クロワデュノールが世代頂点に返り咲く

　当日は好天にも恵まれてレース前に芝は良馬場へと回復したが、やはり少し時計のかかる緩めの馬場。離し気味に逃げた馬の前半１０００ｍ通過は６０秒０というミドルペースだったが、後続にとってはスローと言っていい流れで、いわゆるダービーポジションで運んだ馬でないと厳しい展開となった。

　クロワデュノールは、序盤のゆったりした流れの中で外枠からポジションを取りに行って好位に収まる理想的な形。そのまま直線を向いて残り３００ｍで先頭に躍り出る盤石の競馬で、最後に２着馬に迫られたものの、手応えに余裕を残しての完勝劇だった。ぶっつけだった皐月賞から体調面での上積みも十分にあり、まさに順当勝ちというレースぶり。ただただ、強かった。

今度は１番人気に応えたクロワデュノールが7950頭の頂点に

　２着マスカレードボールは、中団から皐月賞との比較でもかなりスムーズにレースを運ぶことができた。最後もよく伸びて差を詰めたが、今日はここまでだったか。

　３着ショウヘイは、スタートを決めて好位のベストポジションに収まる、これまた理想的な競馬。直線を向いて勝ち馬を目標に追い出されたが、最後は現状での力の差が出た形だろう。

　４着サトノシャイニングは、大外枠から積極的に前に行って最初のコーナーを先頭で回ったが、その後に外から擦られたのが痛かったか。

　５着エリキングは、後方からメンバー最速の上がりで差を詰めたが、それでも脚は余していた。まだ成長途上の感も受けるだけに、秋が楽しみになった。

　ミュージアムマイルも、ポジション的に厳しかったとはいえ、最後の止まり方を見ると距離が長かったと言わざるを得ない。