ハンデ戦らしいゴール前 柴田大の好騎乗でマイネルハニーが重賞初V

佐藤直文 レース回顧
チャレンジカップ

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ゴール前の大接戦を凌ぎ切り マイネルハニーがフラッシュ!

 隊列が決まって坦々と、という前半は、けっして速い流れには見えなかったが、最初と最後の1ハロン以外は全て11秒台のラップが刻まれたもので、それだけコーナーでペースが落ちなかったということ。外回りコースであっても、器用さが要求される競馬だったように思えるが、上位5頭がコンマ1秒差にひしめく、いかにもハンデ戦らしいゴールシーンであった。

 マイネルハニーは、これまで4度の連対が全てハナを切ってのもの。2番手に控える形で一息だった前走を考えても、同じ運びの今回は厳しいかとも思えたが、直線を向いて先頭に立つと最後まで渋太く脚を使って押し切った。このあたりは手の内を知り尽くしている柴田大騎手の好騎乗とも言えたが、一息だった前走は距離と見ることもでき、スプリングSでの2着もあるこの1800mがベストかもしれない。3歳で55キロというハンデもけっして恵まれたわけではないだけに、メンバーを考えても価値のある勝利である。

マイネルハニー

古馬勢の追撃を振り切ったマイネルハニー(橙帽)が優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ベルーフは、距離を問わず後方からの競馬となるのは仕方ないが、今回は外国人騎手らしくコースロスなく馬群を捌けたことが好走の因だろう。57キロを背負っていたことも考えれば、あとはタイミングだけの差。少し時計のかかる1800~2000mのGIIIなら、いつでも勝てるレベルだ。

 3着ケイティープライドは、うまく流れに乗って、ラストも馬群を割る勝負根性を見せた。52キロの軽ハンデも利いていたと言えるものの、重賞で常に人気以上に走っているのは頭が下がる。

 4着フルーキーは、秋にマイルを2戦してここ、というのは勝った昨年と同じパターンで、おそらく今はこの距離がベストだろう。それでいて4着止まりだったのは、昨年よりもメンバーの質が高かったのと、0.5キロのハンデ増量によるもの。けっして衰えを見せたわけではない。

 5着ブラックスピネルもまた、秋はマイル路線を歩んでいたが、距離自体は1800mの方が合っていそうだ。今回は、ある程度、前で運んだように、陣営も色々なことを試しながらそれなりに収穫はあったと思えるが、掴み所のない馬ではある。プラス18キロの重目残りを考えても力は示したと言えるのだが、だから次は、とも言い切れない。

 ヒストリカルは、指定席と言える最後方からの競馬だったが、掲示板に届かなかったあたり、決め手にやや衰えが見えるか。ディサイファは、道中でなし崩しに脚を使わされる最悪の形。中2週となるのに加え、58.5キロのハンデを嫌って陣営も出否を迷っていたフシがあるが、無理に使わずにアメリカJCCあたりからの始動で良かったのではないか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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