マイル転身エアスピネルが快勝も、ベストは中距離?

佐藤直文 レース回顧
京都金杯

転身初戦で一発ツモ エアスピネルがGIへの扉を開く

 昨秋の連続開催の後半では使われなかったAコースは、内から3~4頭分が綺麗なグリーンベルトとなり、明らかなイン有利の馬場。そこへきてのフルゲート18頭で、枠順が明暗を分けたとも言える。

 ただ、勝ったエアスピネルに関しては内目の枠を利しただけではなかったろう。道中は馬群で揉まれるシーンもあったが折り合い重視で運び、3コーナー過ぎの勝負どころから外へ持ち出し、直線ではグリーンベルトのギリギリのところを力強く伸びたもの。最後は2着馬に追い詰められたものの、斤量差を考えれば力が一枚上だったと見ていい。マイルがベストがどうかはさておき、中距離ならGIにも手が届くだけのレベルと言えるだろう。

エアスピネル

詰め寄られはしたが凌いだエアスピネルが久々の重賞制覇(赤帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ブラックスピネルは、最内枠からロスなくレースの流れに乗り、直線でも開いたポジションにスッと入ったあたり、操縦性の高さも見せた。マイルか1800mなら、重賞を勝つ日もそう遠くはないだろう。

 3着フィエロは、マイルCSの内容を考えればこのくらい走って当然だったが、それにしても8歳馬で57.5キロのハンデを背負ってのものだけに頭が下がる。

 4着アストラエンブレムは、外枠もあってか道中は後方で控え、直線で外へ持ち出してモノ凄い伸びを見せたもの。今日の馬場や流れでは届かなくて当然だったが、内枠を引いて好位で流れに乗る競馬ができていれば、あるいは…、と思わせる脚だった。

 5着マイネルハニーは、折り合いに気を配りながらジワジワとポジションを上げて2番手に。直線でも渋太さを発揮して力は出し切ったと見ていいが、やはり今日のところは外枠も響いたか。ベストもコーナー4つのコースであろう。

 ブラックムーンは、内枠から流れに乗る形だったが、前走のように脚を溜めて行かないと弾けない馬なのだろう。ただ、それにしても負け過ぎであり、前走が外伸びの馬場に恵まれたものと見ていいかもしれない。ガリバルディは、今日の馬場で大外枠という条件がテンから厳しかった。度外視していい一戦だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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