3連勝で重賞初Vカラクレナイ 桜花賞でも速い流れになれば…

佐藤直文 レース回顧
フィリーズレビュー

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本番でも侮れない カラクレナイ

 これが桜花賞への最終トライアル。距離が1ハロン短い1400mということもあってか、近年は本番への結び付きも薄くなっているレースだが、今年は1分21秒0というレースレコード決着となった。従来のレコードが、本番も制した2005年のラインクラフトの1分21秒2であったことを考えれば、これはひょっとするとひょっとするかもしれない。

 カラクレナイは、スタートをジワッと出してテンから後方で折り合いを付ける形。このあたりは本番も見据えたかと思えるが、今までのレースよりも速い流れだったこともあり、勝負どころから外を回って追い上げて、直線では持ち前の瞬発力をフルに発揮した。ここまで4戦が全て1400mで、本番はあと1ハロンの距離延長が鍵となるが、このレースぶりなら克服も可能だろう。本番も今日のような速い流れになれば、チャンスは十分にある。

カラクレナイ

大外を伸びたカラクレナイが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着レーヌミノルは、直線での大きな斜行があったとはいえ、控える形から勝ちに動いてのもので、これはこれで強い競馬だった。真っ直ぐ走れていて、ゴール前でも勝ち馬と馬体が合っていれば、もっと際どい勝負になったかもしれない。

 3着ゴールドケープは、出遅れたことで今までにはない脚を溜めて運ぶ競馬となったが、勝ち馬の後を追うように進出して、なかなかの瞬発力を見せた。たまたま、とは言え、こういう競馬ができたことは大きな収穫であり、コース経験のある本番ではこれまたひょっとするかもしれない。

 4着ジューヌエコールは、好位で流れに乗る形だったが、他の先行好位勢が揃って失速したペースを考えれば、改めて力を示す結果。直線で不利があったこともあり、本番へのステップとしては上々だったように思える。

 5着ヤマカツグレースは、中団から直線でも不利を受けずに差を詰めた形だったが、上位とは決め手の差。まだこれからの馬だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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