とんでもない怪物牝馬の出現 ファンディーナが直線独走V

佐藤直文 レース回顧
フラワーカップ

好天の中山に衝撃 ファンディーナ

 前半1000m通過が61秒1のスローペース。にもかかわらず、1分48秒7の決着タイムは、中山が舞台の年に限れば過去最も速い時計であり、直線で流して後続に5馬身差を付けた勝ち馬が、次元の違う走りを見せたと言っていい。

 そのファンディーナ。スローの2番手で序盤は少し口を割っていたが、折り合い自体は付いてリラックスした走りだった。4コーナー手前で軽く仕掛けられると、あっという間に抜け出して、残り1ハロンからはターフビジョンを確認した鞍上が軽く流したままでのゴール。ディープインパクト産駒の特に牝馬は、中山1800mを不得手とするタイプが多く、死角があればそのあたりかとも思っていたが、これはとんでもない怪物牝馬の出現と言っていい。このあと、中2週で桜花賞へ向かうかどうかは未定とのことだが、出走してくるならマイルの流れにも対応できそうであり、オークスでもどんな走りを見せるのか、かなり楽しみになった。

ファンディーナ

人気に推されたファンディーナが衝撃の重賞初V(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着シーズララバイは、馬格の割りには力強い走りで混戦の2着争いを制したもの。5馬身差でも、例年のレベルなら勝っていて不思議のない時計で走っており、とにかく相手が悪かった。

 3着ドロウアカードは、注文通りのマイペースで、勝ち馬に並ぶ間もなく交わされた後も、前半の貯金を生かしてよく粘っていた。ただ、距離的には1800mが限界で、マイルがベストだろう。

 4着エバープリンセスは、折り合いに専念する形で後方を運び、直線では目立つ伸び脚。ペースを考えてもよく走っている。

 5着ハナレイムーンは、少し掛かり気味だったとはいえ、道中3番手で今日のペースならもっと粘れるはずの馬。小柄で急坂が応えたのかもしれないが、やはり前走のように脚を溜めて運ぶ形の方がいいのかもしれない。

 ディーパワンサも、好位で運びながら反応が一息だったが、これは久々の影響もあったか。デアレガーロは、序盤で掛かってしまったとはいえ、それでもここまで大きく負ける馬ではないだろう。いずれにしろ気性面での成長が必要かと思われる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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