磐石の走りラッキーライラック 本番でも主役の座は揺るぎなし

佐藤直文 レース回顧
チューリップ賞

折り合いバッチリで無傷の4連勝 ラッキーライラック

 今年からGIIに昇格した効果もあってか、阪神ジュべナイルフィリーズの上位3頭が顔を揃える豪華メンバーとなった。GIIIだった昨年までも、メンバーの質は今週のフィリーズレビューより高い傾向にはあったが、今後はその傾向にも一層拍車がかかることだろう。

 ラッキーライラックは、行きたい馬を先に行かせ、テン3ハロン35秒4のスローな流れでも、課題の折り合いが付いて我慢できていた。直線を向いて余裕の手応えで先頭に立つと、気を抜かせずに追った鞍上の手綱に応えて最後まで脚が鈍ることなくの完勝。今日は少頭数だったが、このレース運びならフルゲートでも不安はない。前走の阪神JFから1秒近くも時計を短縮したばかりか、同じ舞台での2連勝を含む無傷の4連勝で臨む本番も、主役の座は揺るぎないだろう。

ラッキーライラック

2歳女王ラッキーライラックが無傷の4連勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着マウレアは、人気を裏切った前走のクイーンCでは少し持って行かれ気味だったが、今日はスムーズに折り合えていた。勝ち馬を見る形で運んで、最後までその差が詰まらなかったとはいえ、阪神JFの2着馬に追い勝ったことは評価できる。本番に向けては、ギリギリに映った今日の馬体を維持できるかが鍵となるだろう。

 3着リリーノーブルも、勝ち馬をマークしながら運んだが、直線で上位3頭の中で一番先に鞍上の手が動いた割には差が詰まらなかった。プラス4キロの数字以上に馬体に余裕があったことも確かだが、本来はもっと距離が延びていい馬かもしれず、本番で今日の上位2頭を逆転するのは難しいかもしれない。

 4着サラキアは、出遅れて後方からの競馬となり、3着から2馬身の差が付いたが、上がりの脚は上位馬とは遜色がなかった。キャリアを考えても、素質の高さは示したと言える。

 5着レッドランディーニも、4着馬と同様の競馬。末脚は確かなものがあるだけに、レース運びが巧くなれば出世も十分可能だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

有馬記念特集

2024年有馬記念特集

有馬記念の結果、動画、出走馬一覧、単勝オッズ、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、歴史などを紹介する特集ページです。出走馬一覧には、単勝オッズやデータを合わせて掲載。

  • 特別登録
  • 予想オッズ
  • 想定騎手
  • 優勝馬名
  • 優勝騎手名
  • レース動画

優馬 2歳馬チェック

優馬 2歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週月曜か火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。