軽い馬場で本来の実力を発揮　川須レッドアリオンがまんまと逃げ切り勝ち

絶妙の仕掛けで　ジェベルムーサ　【エルムステークス】

　小回りの１７００ダートという舞台設定からも、どれだけ巧く立ち回れるかが鍵となるレース。そしてまた、自分の競馬がどれだけできるか。鞍上の手綱捌きひとつで結果も大きく変わった一戦であろう。

　勝ったジェベルムーサは、序盤は後方に控えて向正面から一気に進出するという普段着の競馬。ここ２戦よりも相手が強化されていたとはいえ、“これで負けたらしょうがない”とばかりに腹をくくった岩田康騎手らしい好プレーだった。今後は広いコースでどういう競馬がができるかが鍵となるだろうが、少なくとも小回りでのこの戦法なら崩れることはないはずだ。

　２着グレープブランデーも、自分のペースを守っての先行策で、最後は勝ち馬に際どく迫ったもの。低迷していた時期はあったが、ＧI２勝馬に復調の兆しが見えたと言っていいだろう。

　３着エーシンモアオバーは、このレースは６年連続出走となった９歳馬だが、今回が４度目の馬券対象となったのだから頭が下がる。これまた自分の競馬に徹してハナへ行ったことが好走の因だろう。

　結果的に３角で前にいた馬が流れ込む決着で遅れを取った、１番人気のクリノスターオーは、手応えが悪くなるのはいつものこととして、最後にらしい伸びが見られなかったのはマイナス８キロの馬体減が影響したか。

忘れずに買おう　次走の注目馬

　まず１頭目は、新潟土曜５Ｒ、４着スケッチブック。内枠だったために、外へ持ち出すまでに時間がかかったが、終いは上々の伸び。早めに勝ち上がるだけの能力は見せた。

　２頭目は、新潟日曜９Ｒ、６着エアカミュゼ。直線で一旦前が詰まり、外へ持ち出してからもう一度伸びたもの。勝ち馬には大きな差を付けられたが、ズムーズだったらここまでの差は開かなかったはずだ。