まさに規格外 圧巻の走りでロードクエストがクラシックへ名乗り

【佐藤直文 先週のレース回顧】
新潟2歳ステークスは、ロードクエストが衝撃的な強さで1番人気に応え、早くも来春のクラシック戦線へ存在をアピールした。札幌で行われたサマースプリントシリーズのキーンランドカップは、道中最後方から単勝8番人気のウキヨノカゼが豪快に追い込みを決め、2着にも9番人気のトーホウアマポーラが入って、馬連3万円超の大波乱となった。

佐藤直文 レース回顧
新潟2歳SキーンランドC

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ほとんど持ったまま ロードクエスト大楽勝 【新潟2歳ステークス】

 世界陸上で、競馬と相通じるところがあるな、と思いながら見ていたのが、トラックの中・長距離競走だ。個人種目ではあるが、同じ国の選手が集団で走って他国の有力選手の進路を塞いだり、交互に先頭を走って体力を温存したりする駆け引きがとにかく面白い。進路を塞ぐのは、競馬ではやってはいけないことなのだが、ルールの範囲内での“駆け引き”は許されること。騎手の思い通りに動かない馬もいるとはいえ、そいうった騎手の駆け引きが見えるレースもまた面白い。

 新潟2歳Sは、雨の影響で稍重発表の渋った馬場で、決着タイムが1分33秒8。これは昨年のミュゼスルタンがマークしたレコードにコンマ4秒差であり、マイル戦となってからの歴代3位タイという驚くべき時計であった。これを、抜け出す際に少々手綱が動いた程度で、最後は流す余裕すらあったロードクエストの強さは、まさに規格外と言えるだろう。各馬が直線で馬場のいい外目を狙ったところで、ポッカリと開いたインを馬なりで進出できたのも勝因のひとつだろうが、田辺騎手からしてみれば『他の馬は何をしているの?』という状況だったはずだ。せめて、ロードに外を回らせるという、他の騎手の“駆け引き”があったならば、ここまでの大楽勝にはならなかったと思えるのだが…。

ロードクエスト

最後方から圧巻の末脚を披露したロードクエスト(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着以下は、特に今後に期待を抱かせる馬もいないように思えるが、ウインファビュラスは、好位で脚を溜めて直線でもスムーズに外目に持ち出す上手な競馬。勝ち馬が桁違いだったことを考えれば、牝馬同士なら今後もマークが必要だ。

 3着マコトルーメンは、自分の競馬に徹してよく差を詰めたが、勝ち馬以外は時計がかかっていたことが好走の因だろう。距離延長や高速決着などに対応できるかは、今後の課題となるはずだ。

 4着ペルソナリテも上手に立ち回っていたが、やはりマイルは1ハロン長い印象。ヒプノティストは、大外枠と馬場が応えた感を受け、負けた馬の中では見直しが必要な組。◎に推したウインミレーユは、完全に持って行かれた形だったが、無理に抑えるのではなく、だったら行かせた方が良かったのではないか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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