またまた出てきた強い4歳 グローリーヴェイズが盾獲りへ

佐藤直文 レース回顧
日経新春杯

着差以上の完勝で グローリーヴェイズ

 前半1000mが58秒3というこの距離にしてはかなり速い流れだったが、そこからガクンとペースダウンしたこともあって、出遅れて後方を運んでいたメイショウテッコンが3コーナー手前から一気にマクって先頭に立つ特異な流れとなった。そんなの中で上位を占めたのは、乱ペースに惑わされずにしっかりと脚を溜めていた馬だった。

 グローリーヴェイズは、枠なりに終始、内目の経済コースを立ち回り、直線を向いて力強く伸びて抜け出したもの。1頭になった分、最後は詰め寄られたものの、着差以上の完勝と言える内容で、菊花賞は大外枠も響いたとはいえ、今日のような立ち回りができていれば勝てたのではないかとすら思えた。少し時計のかかる今日の馬場にも対応できたことで、また1頭、春の盾戦線に楽しみな4歳馬が現れたと言えよう。

グローリーヴェイズ

人気に応えた4歳馬のグローリーヴェイズ(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ルックトゥワイスは、勝負どころから仕掛けられた馬もいた中で、自身は直線を向くまで後方で脚を温存して大外から脚を伸ばしたが、追い出されてからの反応が一息だった分、勝ち馬には届かなかった。ただ、昨年のパフォーマプロミスと同じ臨戦過程で勝ち負けに持ち込んだ藤原英厩舎の仕上げは、さすがと言うしかない。これまた春の天皇賞が視野に入ることだろう。

 3着シュペルミエールは、馬群の中団で脚を溜めて直線勝負にかけたが、スパッとはキレずジリジリとした伸び。この辺までが精一杯の馬かもしれないが、乗り方ひとつでは違った面を出せそうな馬ではある。

 4着ノーブルマーズは、テンに行けず後方から運ぶ形で、勝負どころからもスムーズに馬群を捌けたとは言えなかったが、ここまで末を伸ばしたのは復調の証だろう。まだまだ重賞制覇のチャンスはありそうだ。

 5着エーティーサンダーは、51キロのハンデも生きたと言えるが、まだ1000万の身で、しかも先行好位勢では最先着だったことを思えば、フロック視はできないかもしれない。

 ムイトオブリガードは、レース後に川田騎手が“馬場が合わなかった”とコメントしていたが、これは外交辞令で、プラス14キロの数字が示す通りの太目残りが最大の敗因だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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