10万観衆も「唖然」の完勝劇 6着サートゥルは「テンションが…」

佐藤直文 レース回顧
天皇賞(秋)

もはや国内に敵なし アーモンドアイ

 好スタートを切ったアエロリットが大方の予想通りにハナを切り、絶妙のマイペースで1000m通過は59秒0。明らかにスローで、中団以降の馬にはノーチャンスと言えた流れだったが、このペースで2着に3馬身差というのは、もはや大差と言っていい着差だ。スーパーホースが改めて底力を見せ付けた結果となった。

 アーモンドアイは、内枠から無理に外へ持ち出さずに好位のイン。ちょうど前にサートゥルナーリアを見る形で、絶好のポジションと言えた。直線を向いてもそのまま内ラチ沿いを進み、坂を上がってから内1頭分のスペースを見つけると、一気に突き抜けた。操縦性の高さゆえに、鞍上も冷静な騎乗ができたとは思うが、それにしてもこの前半のペースで1分56秒2という時計は圧巻。ある程度は先を見据えた仕上げで、まだ良くなる余地もあるはずで、次走がどこであっても、少なくとも国内に敵はいないであろう。

アーモンドアイ

圧巻のパフォーマンスでアーモンドアイがGI5勝目(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ダノンプレミアムは、好位から自分の競馬ができていて、この馬の力は出し切れたように思う。ただただ、相手が強すぎただけだろう。

 3着アエロリットは、距離が延びてもこれまた自分の競馬ができていた。好位勢に一旦は呑み込まれてから最後に差し返したあたりも、この馬らしい走り。マイペースだったとはいえ、この相手にこれだけ走れば大健闘だろう。

 4着ユーキャンスマイルは、上がり3ハロンは勝ち馬を上回ったように、ラストの伸び脚は目立っており、もう少し流れていたら、という印象を受けた。左回りは合う上に、完全に本格化したと言える。

 5着ワグネリアンは、外枠やイレ込みもあって位置取りが悪くなってしまった。直線で良く伸びて力は示したが、本来は勝ち馬あたりのポジションで運びたかっただろう。

 サートゥルナーリアは、少しイレ込み気味でゲートでも落ち着きがなかった。スタートは普通に出たものの、リラックスした走りではなく、今日のところはテンションの問題だろう。前走の反動か、輸送か、その原因はわからないが、課題が見つかったことは確かだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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